昨年5月頃から閉院は視野に入っていたといい、院長を含め7人いた看護師ら院内スタッフは徐々に減っていき、自己破産申請時は院長と看護師1人だけだった。

 リハビリで通院する中高年の患者が多かったというが、倒産にあたって患者にはどう対応したのか。岸本院長は続ける。

「突然閉鎖となって困らないように、2か月前から患者さんには告知して、相談に乗ってきましたよ。紹介状を書くにも、一人ひとりにどういう病院がいいのか希望を聞いた」

 徒歩5分ほどの場所に整形外科を含む複数の診療科を備えた病院があるが、必ずしもそこが紹介先ではないという。

「リハビリで通っている患者さんの場合、紹介先に同じ機器があるかという問題がある。高血圧と腰痛を抱えていて、いまは腰痛が収まっているという患者さんには、内科の先生を紹介した。つい先日、最後の紹介状を書いたところ。コロナの影響で、患者さん全員の相談には時間がかかりましたがね」

 同院の駐車場には、塗装が剥げた黒い乗用車が停められていた。

「エンストで動かなくなったが、修理費用も払えない。儲けている医療機関なんて、あくどいことをしている人たちくらいで、うちはカツカツでしたよ。閉鎖にあたってはリースの機械を返却するための運送費なども必要で、いま銀行口座の残金は0円。手元に現金5万円があるだけです」

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