国内

初のコロナ関連倒産と報じられた病院院長「倒産理由は異なる」

複雑な経緯があったよう

 通院患者の減少などで多くの医療機関の経営が苦しくなるなか、7月末に「医療機関で全国初の新型コロナ関連倒産」が報じられた。

 民間信用調査会社・帝国データバンクによれば、岡山県真庭市にある岸本整形外科医院が7月21日に自己破産を申請。負債は3億3000万円で、今年3月以降は新型コロナの影響で診療件数が大きく減っていたという。

 どういった経緯だったのか。同院を訪ねた。人口約4万5000人の真庭市は県北部に位置し、岡山市内から車で1時間以上。同院は市役所や税務署などが建ち並ぶ国道沿いにあり、立地は決して悪いとは思えないが、3階建てのレンガ色の建物の駐車場にはロープが張られ、玄関のドアはカーテンが閉められている。裏手の家屋を訪ねたところ、岸本真・院長が応対した。

 取材意図を告げると開口一番、「うちはコロナ関連倒産じゃありませんよ」との答え。コロナ前からの経営不振が倒産に至った理由だという。

「たしかにコロナの影響で収入は減ったが、その前から経営は苦しく、閉鎖を考えていました。慢性的な看護師不足などがあって、6年前に入院できる病室を閉鎖して収入が大きく減った。建物の3階部分と2階の半分は病床部分だったが、まるまる使えなくなり、建てたときの借金だけが残ったんです。

 経営再建も模索したが、銀行がコロナ融資ばかりに熱心になり、うちみたいなところの再建に耳を貸さなくなった。結局、銀行だって金儲けが目的ですからね。そういう経緯をすっ飛ばして“コロナ関連倒産”と報じられてしまった」

関連キーワード

関連記事

トピックス

小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン