「貴乃花が女子アナ出身の景子さん、兄の若乃花がCAの美恵子さんと結婚したのが象徴的でした(その後、離婚)。浅香山親方(元大関・魁皇)は元女子プロレスラー、先代の阿武松親方(元関脇・益荒雄)は女子プロゴルファーと結婚。女医、水泳インストラクター、銀座のママなどのケースもある。部屋の運営に役立つ前職もあるが、必ずしも角界のしきたりに理解のある人が結婚相手とは限らなくなってきた」
その結果、協会から給料をもらう立場ではないおかみさんに、どれだけ重責を背負わせるのかという問題が出てくる。時代の変化に伴い、当然議論されるべきテーマだ。
しかし、力士9人が部屋を飛び出し相撲協会の通報窓口にモラハラを訴えたような、式秀部屋のようなおかみさんに起因する問題の再発防止策などを協会に問うたが、回答はなかった。
7月場所前には弟子の通報で中川親方(元幕内・旭里)のパワハラが発覚。部屋は閉鎖された。
「式秀部屋の力士もこの“前例”を見て通報したのだろう。おかみさんを中心にした部屋の切り盛りは“身内の話”だったが、今後は通報で問題行為が発覚するケースが増えるのではないか」(前出・ベテラン記者)
おかみさんという存在と時代の変化が、どう折り合いをつけていくのか。角界の課題は多い。
※週刊ポスト2020年8月28日号