「昭和3年に発刊された新聞でもシューマイにグリーンピースを入れる記事があり、学校給食以前にこの組み合わせがあったことは否定できません。ただ、このスタイルが広まったのは学校給食がきっかけだったんですよ」
いまや国民食ともいえるラーメン。その名の由来について「ラーメンのラーって何?」(2018年5月25日放送)とギモンを投げかけたチコちゃんは、「おかみさんの優しさのラー」という答えを披露。
番組によれば、ラーメンの名付け親は北海道で竹家食堂を営んでいた大久タツ氏。大正11(1922)年、店で人気だった「肉絲麺(ロースーメン」を「支那そば」と呼ぶ客が多いことに心を痛めた大久氏が、「ハオラー(料理ができたよ)」という中国語と「ロースーメン」を組み合わせて「ラーメン」と呼んだことが発祥という。
近代食文化研究会はこの説明にも“異論”を紹介する。
「食文化史研究家・小菅桂子さんの著書『にっぽんラーメン物語』の中に作家・長谷川伸の体験談が記載されており、明治時代の横浜中華街で、既に『らうめん』と呼ばれていたことがわかります。
また同書では、明治43年(1910年)に浅草に創業した『来々軒』三代目の尾崎一郎さんが『うちでは最初(創業時)からラーメンといってた』と証言しています。その後、大正時代の東京で、『支那そば』の中国名として『ラーメン』という言葉が広がりました」
この説には、番組に登場した伝承料理研究家の奥村彪生(あやお)氏が再反論する。
「横浜中華街で『らうめん』と呼ばれていたことは知っていますが、それは平仮名の『らうめん』で、『肉絲湯麺(ラーメンの一種)』を縮めたもの。カタカナ表記の『ラーメン』は大久さんが名付け親なんです」
この回では、番組中に「ラーメンの由来には諸説あります」とテロップが流れており、チコちゃんの配慮が窺える。