「柳田のIQは知らんけど野球脳はもの凄い。配球を読む力はズバ抜けとるよ。大きいのが欲しいときは長打を狙うし、タイムリーが欲しいときはヒットを狙える。2番では走者が溜まっていないことが多いけん、そのケース打撃が活かされない。それに柳田は打席に入る前に投手の球筋をよう見よるもん。1球でも多く見られるという点でも3番がベストだと思う」

 タイトル争いでいえば、現在はリーグ5位の「打点」も伸ばして“8冠”を目指してほしい。そのためには3番で能力が最大化されそうだ。ただし、“走者を返す役”になる以上、“自分が返る役”の2番より「得点」の機会は減りそうだ。

「鍵は柳田の後ろを打つことが多い中村晃(30)が調子を維持できるか。柳田が7月に日本タイの32得点を記録できたのは、中村の功績が大きい」(スポーツ紙デスク)との声も。

 ただ、本人はタイトルにこだわりがないという。

「昨年はケガで38試合の出場に終わったので、今年は全試合出場を目標にチームの勝利を最優先している。打撃が崩れるけん、ホームラン王を取りたいとは言わない。先日もホームランを打ったのに“バッティングなんて甘いところに来るかどうかの運だけです”と言ってました」(達川氏)

 無欲の先に前人未到の記録があるか。

※週刊ポスト2020年9月4日号

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