スポーツ

「2着ではダメ」な夏の3歳未勝利戦 買うべき馬券を考察

サバイバルレースをどう狙うか

 この時期の3歳未勝利戦は、文字通り生き残りを賭けた戦い。華やかなGIレースとはまた違った“熱さ”がある。競馬ライターの東田和美氏が考察した。

 * * *
 夏競馬も残り2週、東西メーンには早々と勝ち名乗りを挙げた2歳エリートによる重賞が組まれている。

 一方、午前中や午後の新馬戦後には3歳未勝利戦が各日3~4レース、ひっそりと行なわれる。ここで勝てなければ、今後は格上馬相手に不利な戦いを挑むか、引退するか、あるいは中央競馬の舞台から去るしかない。2歳戦が始まってからのわずか15か月の間で、とにかく1回は1着にならないと「走らない馬」という烙印を押されてしまう厳しい世界だ。

 いわゆる“スーパー未勝利戦”が昨年からなくなり、実力差がはっきりしてきたとはいえるが、それでも多頭数必至、やっと競馬を覚えてきた馬や試行錯誤を繰り返して適性が明らかになってきた馬、デビューが遅れた素質馬などもいて力関係の把握が困難。昨年小倉最後の未勝利戦は単勝213倍の17番人気馬が勝ち、馬単は史上3位の102万円もついた。

 そんなことで、もしかしたら美味しいかもしれないサバイバル3歳未勝利戦について検討してみる。

 昨年ラスト2週の未勝利戦を見てみると、37レース中15勝と1番人気馬は強い。ところが、2番人気は3勝、3番人気は2勝、4番人気3勝、5番人気2勝、6番人気3勝、7、8、9番人気が各2勝と、2番人気から9番人気まではほぼ平均して勝っている(10番人気以下が3勝)。

 つまり「2着ではダメ」ということなのだ。各陣営が勝つことだけを考えている。もはや「前走より前進を」とか「なんとか次走の優先出走権を」などと言っている場合ではない。実績や能力値が高い馬がいる場合は、いつもと違う戦い方をすることもある。なお2着馬は半数以上が3番人気馬以内、3着馬は22レースが5番人気以内と極めて順当だが、2着も10着も負けは負けなのだ。

 しかし「2着ではダメ」なのは当該馬の関係者だけ。一般の馬券ファンは、単勝を買って応援すればいいというわけではなく、陣営の思惑を読み取って勝負すればいい。

 1番人気が勝てないレースでは、2番人気以下どれが勝ってもおかしくない。けれど、2着、3着は上位人気馬が順当となれば、買うべき馬券はおのずと決まってくる。馬連やワイドではなく、いまや6%台のシェアしかない馬単である。馬単は信頼できる1番人気馬を1着に固定して「少し」高い払戻にありつくためのものではなく、これはと思った軸馬を頭にして「かなり」高い払戻をゲットするものと考えたい。レースを見るときも力が入る。

 また1番人気なのだから3着以内には来るだろうという思考で買う3連複では、よほどのことがない限り高額配当が望めない。ならば上記同様、軸馬を1着にすえた3連単。1着固定で相手4頭なら12点、フォーメーションで軸馬1着固定、2、3着付け2頭、3着付け4頭で計10点というのはどうだろう。1点100円で十分。ローリスクでハイリターンを狙うこの時期の3歳未勝利限定作戦だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《不倫報道で沈黙続ける北島康介》元ボーカル妻が過ごす「いつも通りの日常」SNSで垣間見えた“現在の夫婦関係”
NEWSポストセブン
秋篠宮家の長男・悠仁さまの成年式が行われた(2025年9月6日、写真/宮内庁提供)
《凜々しきお姿》成年式に臨まれた悠仁さま 筑波大では「やどかり祭」でご友人とベビーカステラを販売、自転車で構内を移動する充実したキャンパスライフ
NEWSポストセブン
中途採用応募者が急に増えて担当者は困惑(写真提供/イメージマート)
《SNSの偽情報で実害》中途採用に「条件満たさない」応募者が激増した企業、勝手にFラン認定された大学は「少子化の中、学生に来てもらう努力を踏み躙られた」
NEWSポストセブン
趣里(左)の結婚発表に沈黙を貫く水谷豊(右=Getty Images)
趣里の結婚発表に沈黙を貫く水谷豊、父と娘の“絶妙な距離感” 周囲が気を揉む水谷監督映画での「初共演」への影響
週刊ポスト
日本復帰2戦目で初勝利を挙げたDeNAの藤浪晋太郎(時事通信フォト)
横浜DeNA・藤浪晋太郎を大事な局面で起用する三浦大輔監督のしたたかな戦略 相手ファンからブーイングを受ける“ヒール”がCSの行方を左右する
週刊ポスト
宮路拓馬・外務副大臣に“高額支出”の謎(時事通信フォト)
【スクープ】“石破首相の側近”宮路拓馬・外務副大臣が3年間で「地球24週分のガソリン代」を政治資金から支出 事務所は「政治活動にかかる経費」と主張
週刊ポスト
15人の大家族「うるしやま家」(公式HPより)
《ビッグダディと何が違う?》フジが深夜23時に“大家族モノ”を異例の6週連続放送 今、15人大家族「うるしやま家」が人気の背景 
NEWSポストセブン
自身のYouTubeで新居のルームツアー動画を公開した板野友美(YouTubeより)
《超高級バッグ90個ズラリ!》板野友美「家賃110万円マンション」「エルメス、シャネル」超絶な財力の源泉となった“経営するブランドのパワー” 専門家は「20~30代の支持」と指摘
NEWSポストセブン
高校ゴルフ界の名門・沖学園(福岡県博多区)の男子寮で起きた寮長による寮生らへの暴力行為が明らかになった(左上・HPより)
《お前ら今日中に殺すからな》ゴルフの名門・沖学園「解雇寮長の暴力事案」被害生徒の保護者らが告発、写真に残された“蹴り、殴打、首絞め”の傷跡と「仕置き部屋」の存在
NEWSポストセブン
濱田よしえ被告の凶行が明らかに(右は本人が2008年ごろ開設したHPより、現在削除済み、画像は一部編集部で加工しております)
「未成年の愛人を正常に戻すため、神のシステムを破壊する」占い師・濱田淑恵被告(63)が信者3人とともに入水自殺を決行した経緯【共謀した女性信者の公判で判明】
NEWSポストセブン
指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)
《外道の行い》六代目山口組が「特殊詐欺や闇バイト関与禁止」の厳守事項を通知した裏事情 ルールよりシノギを優先する現実“若いヤクザは仁義より金、任侠道は通じない”
NEWSポストセブン
志村けんさんが語っていた旅館への想い
《5年間空き家だった志村けんさんの豪邸が更地に》大手不動産会社に売却された土地の今後…実兄は「遺品は愛用していた帽子を持って帰っただけ」
NEWSポストセブン