国際情報

【アメリカ発】毛沢東の言葉を引用したバイデンの大失態

自滅しかねない失言が目立つバイデン氏(AFP=時事)

 民主党の大統領候補、バイデン氏に対しては、アメリカの保守系メディアが微に入り細を穿って失点を探そうとしている。ただし、それはトランプ大統領がリベラル系メディアにされていることと同じである。小さなミスが選挙の趨勢を変えることもあるだけに、失言、失態は命取りになる。この発言は尾を引くのだろうか。American Thinkerを中心に多方面で活躍する政治ジャーナリストMonica Showalter氏は、「単に無知による失態」では済まないと分析する。

 * * *
 共和党員たちが党大会の準備をしていた時、ジョー・バイデン氏は民主党大会の最後に、なんと毛沢東の言葉を引用していた。ナショナル・レビューはこう伝えている。

《バイデン氏は日曜日、大統領候補として最初の記者会見で、カマラ・ハリス氏を副大統領候補に選んだ理由について、残忍な中国の独裁者・毛沢東の言葉を引用して説明した。

 ABCニュースのロビン・ロバーツ記者は、「黒人女性を選ばなければならないというプレッシャーを感じていたのか」と質問したが、バイデン氏はそれを否定したうえで、「政府は国民がそうであるように、国がそうであるようにあらねばならない」と答えた。

「この国の人口の51%は女性であり、古い表現ではありますが、『女性はこの空の半分を占めている』わけです」。》

 この詩的な表現は、飢餓死、大量投獄、数千万人の粛清に関与したとされる中国の独裁者・毛沢東によって作られたものだ。ご存じのように、彼は詩人としても知られた人物だった。彼の詩は、働きアリのように塩坑や畑で働かされ、飢えていた小さな女性たちを喜ばせるためのものであり、彼女たちはそのプロパガンダを拡声器で叫んでいた。

 ナショナル・レビューの記事はこう続く。

《バイデン氏の言う「古い表現」は、実は中国の文化大革命のさなかに毛沢東が女性の社会進出を促進するために発したものだ。その後、1958~1962年の間に推定4500万人の中国人が命を落とした「大躍進政策」の際にプロパガンダとして広く用いられた。

 バイデン氏がこの言葉を使ったのはこれが初めてではない。7月にオンラインで開いた資金集めパーティでも同じ表現をしていた。》

 バイデン氏は自分を 「ミスター中道」 として売り込もうとしているが、彼の周囲には極端なリベラル思想を持つマルクス主義勢力が集まっている。そのバイデン氏が毛沢東を引用したことは、多くのことを示唆している。

関連キーワード

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン