芸能

サンジャポでMC務めた飯尾和樹は「代打出演」の完成形か

サンジャポに代打MCとして登場したずんの飯尾和樹

 不祥事やコロナ感染などの影響で、当事者のタレントに代わってテレビ番組に代打で出演するタレントに注目が集まっている。「いつもより面白い」「違和感ある」など視聴者の反応はさまざまだ。新型コロナウイルスに感染した爆笑問題・田中裕二(55歳)の代打で『サンデージャポン』(TBS系)のMCを務めた、ずんの飯尾和樹(51歳)の場合はどうだったのか。コラムニストのペリー荻野さんが分析する。

 * * *
 今、さまざまな事情で番組出演ができなくなったタレントに替わる「代打出演」が増えている。代打タレントはいつもの番組の流れにどう乗るか、はしゃぎすぎても小さくなりすぎてもつまらない。自分の立ち位置を見つけるのはなかなか難しいのだ。

 そんな中、「代打出演の完成形」にも見えたのが、爆笑問題田中裕二の代打で『サンデージャポン』に出た飯尾和樹である。

 飯尾の代打成功ポイントは、3つある。まず、第一は「適当に粗末に扱われる」
 
 番組冒頭から下を向いてばかりの飯尾。安倍首相退陣で、言い間違いが許されない各議員の名前やら政治用語やらが飛び交う中での進行役にカチカチ状態だ。そんな飯尾の様子を見逃すはずもない太田光が「緊張が伝わってくるんですけど」と言い出し、どう答える飯尾?と思ったら「こんな分厚いカンペあるんですよ」と手元のカンペを見せた。

 一見、開き直った態度としか見えないが、カンペを見せることで、普段、田中がどんな風に進行していたのか視聴者にも伝わると同時に、飯尾の田中へのリスペクトも見えた。しかも、こんなに困っていると表明しても、スタジオの太田をはじめ、ぺこぱも壇蜜も、もちろんテリー伊藤も誰も助けない。飯尾、困ったまま。だが、ここでは「困った飯尾」が面白いので、それでいいのである。

 そして、田中から番組へのメッセージが読まれると、そこには代打の飯尾への言葉はなし。飯尾は「俺の名前がない!」とガックリ。いいのいいの。ガックリしたり、困ったり。適当に粗末に扱われるのがこの番組での飯尾の立ち位置なんだから。

 成功ポイントその2は、「適当にスベる」。番組の途中でメガネを頭上に置いて「女編集長」などとネタをやって、スベりまくってしまった飯尾。だいたい田中は、番組の中でネタはやらないのに、なんでこういう展開に?と思うが、ここでスベらず爆笑となっていたら、かえって居心地が悪かったに違いない。あちゃー、やっちゃったよ~とハラハラしつつ、番組から目が離せなくなった視聴者も多かったはず。おかげで「あちゃー」がお約束のデーブ・スペクターの影が薄く感じられた。

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン