国内

中川淳一郎氏「私がマスク装着率の低下に期待する理由」

マスクのない日常はいつやってくるのか…(時事通信フォト)

 コロナをめぐっては、感染者バッシングが大きな問題となった。その背景には、一気に一方向へ向かいがちな日本の世論がある。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏は、そんな現状の中で、「マスクをつけている人の割合が下がることを期待している」という。

 * * *
 週刊ポスト9月11日号の『コロナ論』著者・小林よしのり氏との対談では、テレビの凄まじき影響力と「コロナ脳」になってしまった日本人について語り合った。その中では「ネット世論はテレビ報道に批判的なことが多いが、コロナでは珍しく同調した」という話をした。

「原発事故の時と比較し、全国的なイシューになって『自分事化』された人が多い」という理由を私は述べたが、他にもある。

 興味深かったのが、本来自由と人権を守ることを重視する左派まで緊急事態宣言の発動を望み、自粛を受け入れたことである。おい、「アベは独裁者」じゃなかったのか? それは「命は経済よりも重い」という考えに従っているわけだが、小林氏は「経済のほうが命よりも重い」と捉えている。日本人の死者が欧米よりも少ないことを根拠としている。

 テレビが相当な恐怖を煽った結果、ネット上ではコロナについて差別が蔓延した。初期の頃は、屋形船でタクシー運転手が感染したことから、タクシーが恐怖の対象となった。クルーズ船から下船した高齢者がその後ジムへ行きスプレッダーになったり、千葉の高齢者が羽田から飛行機で富山へ行き、岐阜にバス旅行をした。この頃は「アクティブジジイ・アクティブババア」という言葉が登場し、一気に高齢者叩きが爆発した。

 その後は歌舞伎町のホストクラブがクラスターになったことから、若者・水商売関係者が猛烈に叩かれた。山梨県に帰省した若い女性は県内55人目の感染者だったことから「コント55号」にかけて「コロナ55号」と呼ばれ、素性暴きが過熱した。

関連キーワード

関連記事

トピックス

自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《ずっと若いママになりたかった》子ども好きだった中山美穂さん、元社長が明かした「反対押し切り意思貫いた結婚と愛息との別れ」
週刊ポスト
連敗中でも大谷翔平は4試合連続本塁打を放つなど打撃好調だが…(時事通信フォト)
大谷翔平が4試合連続HRもロバーツ監督が辛辣コメントの理由 ドジャース「地区2位転落」で補強敢行のパドレスと厳しい争いのなか「ここで手綱を締めたい狙い」との指摘
NEWSポストセブン
伊豆急下田駅に到着された両陛下と愛子さま(時事通信フォト)
《しゃがめってマジで!》“撮り鉄”たちが天皇皇后両陛下のお召し列車に殺到…駅構内は厳戒態勢に JR東日本「トラブルや混乱が発生したとの情報はありません」
NEWSポストセブン
事実上の戦力外となった前田健太(時事通信フォト)
《早穂夫人は広島への想いを投稿》前田健太投手、マイナー移籍にともない妻が現地視察「なかなか来ない場所なので」…夫婦がSNSで匂わせた「古巣への想い」
NEWSポストセブン
2023年ドラフト1位で広島に入団した常廣羽也斗(時事通信)
《1単位とれずに痛恨の再留年》広島カープ・常廣羽也斗投手、現在も青山学院大学に在学中…球団も事実認める「本人にとっては重要なキャリア」とコメント
NEWSポストセブン
芸能生活20周年を迎えたタレントの鈴木あきえさん
《チア時代に甲子園アルプス席で母校を応援》鈴木あきえ、芸能生活21年で“1度だけ引退を考えた過去”「グラビア撮影のたびに水着の面積がちっちゃくなって…」
NEWSポストセブン
釜本邦茂さん
【追悼】釜本邦茂さんが語っていた“母への感謝” 「陸上の五輪候補選手だった母がサッカーを続けさせてくれた」
週刊ポスト
有田哲平がMCを務める『世界で一番怖い答え』(番組公式HPより)
《昭和には“夏の風物詩”》令和の今、テレビで“怖い話”が再燃する背景 ネットの怪談ブームが追い風か 
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《ラーメンにウジ虫混入騒動》体重減少、誹謗中傷、害虫対策の徹底…誠実な店主が吐露する営業再開までの苦難の40日間「『頑張ってね』という言葉すら怖く感じた」
NEWSポストセブン
暴力問題で甲子園出場を辞退した広陵高校の中井哲之監督と会見を開いた堀正和校長
【「便器なめろ」の暴言も】広陵「暴力問題」で被害生徒の父が初告白「求めるのは中井監督と堀校長の謝罪、再発防止策」 監督の「対外試合がなくなってもいいんか?」発言を否定しない学校側報告書の存在も 広陵は「そうしたやりとりはなかった」と回答
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《過激すぎる》イギリス公共放送が制作した金髪美女インフルエンサー(26)の密着番組、スポンサーが異例の抗議「自社製品と関連づけられたくない」 
NEWSポストセブン
悠仁さまに関心を寄せるのは日本人だけではない(時事通信フォト)
〈悠仁親王の直接の先輩が質問に何でも答えます!〉中国SNSに現れた“筑波大の先輩”名乗る中国人留学生が「投稿全削除」のワケ《中国で炎上》
週刊ポスト