──大統領としてのドナルド・トランプ氏はこの3年半で何かいいことをしましたか。
メアリー:何かいいことをしたか、ですって。答えはノーです。ドナルドはこの3年半の間によくもまあ、継続的にひどいことを見事にやってきました。驚きすら感じます。それが絶えることなく、続いているのですから。
ジョークじゃなくて、大真面目な気分で言えば、この大統領は何かいいことをやったか、何一つ考えつきません。この大統領はこの国と国民のために善政をやった男とは到底思えません。(新型コロナウイルス禍の最中)多くの人たちが感染し、死に、職を失っています。アメリカは今や国際社会で尊敬されない国に成り下がりっています。残念なことですが、この大統領が何かいいことを一つでもやったか、まったく思いつきません。
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メアリー氏がまとめた叔父で現職大統領のドナルドの生い立ち、一族の歴史については前出の『世界で最も危険な男』(小学館刊)に詳しい。身内の暗部をここにさらけ出したメアリー氏に一貫しているのは、トランプ施政下で深まり、コロナ禍により決定的となった米国社会の危機的状況をなんとか変えたいという思いである。