保険が効く治療も自費治療も、メリットデメリットがある

インプラントは「ワンピース」と「ツーピース」で大違い

 抜歯後の主な治療法としては4つあるが、それぞれにメリット&デメリットはある。

 保険診療で一番安いブリッジは、支台となる左右の歯を鉛筆の先のように細くしてしまう。上からクラウンを被せるためだ。このように、歯を大きく削ると、歯の寿命を短くしてしまう可能性が高い。

 次に費用が安い部分入れ歯は、左右の歯にバネをかけて固定する。歯を削る量は少ないが、外れやすい、強く噛めない、などのデメリットがある。部分入れ歯が食事中に外れて、「誤飲」する事故も後を絶たない。

 インプラントは、チタン製の人工歯根を、抜歯した跡に埋入する治療だ。しっかりと噛めるし、外見からは天然歯と見分けがつかない。

 ただし、以前から問題となっているのは「格安」「激安」と宣伝されている、ワンピースタイプのインプラントである。たとえば10年後、他の歯が全部抜けてしまうと、残ったインプラントが自身を傷つける凶器となってしまう場合もあるのだ。標準的なツーピースタイプなら、上部を外すだけでリスクを避けられる。

 インプラントの権威・小宮山彌太郎院長(ブローネマルク・オッセオインテグレイション・センター)は次のようにアドバイスする。

「インプラント治療しかないとか、結論を急がせる歯科医は疑うべきでしょう。そして、必ずセカンドオピニオンを受けて、理解を深めた上で治療を決断してください」

 また、インプラントの耐久性には、手術後の定期的なメンテナンスが大きな影響を与える。

 セルフケアと合わせて、しっかり取り組まないと、インプラント周囲炎(歯周病と同様の症状)が起こる。悪化すると、インプラントが脱落する場合もあるので注意が必要だ。

 歯科医院選びも重要なポイントになる。「治療の前後に丁寧な説明を行う」真摯な姿勢が一つの基準だ。いずれの治療も「保険か、自費か」で費用が大きく異なる。費用だけを見て治療法を選ぶことには、リスクがあることを知っておきたい。

※週刊ポスト2020年10月1日号増刊『週刊ポストGOLD 得する医療費』より

ブリッジやインプラントなども、どんな治療が最適か

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