芸能

杏、魔女の声がハマり役 妖怪、幽霊を演じた個性派路線も

『アダムス・ファミリー』での魔女役が注目の杏

 アニメや実写映画化もされた『アダムス・ファミリー』が初のアニメーション映画になって公開。日本語吹き替え版の個性あふれる声優陣に注目が集まっている。中でも存在感が際立つ、魔女の家系に生まれたモーティシアの声を演じる杏(34才)についてコラムニストのペリー荻野さんが解説する。

 * * *
 初のCGアニメ映画公開で注目の『アダムス・ファミリー』。実写映画や舞台版ファンの私も興味津々だが、それよりなにより、「ナイス!」と思ったのは、日本語吹き替え版の声優たちだ。

 物語は崖の上の奇怪なオバケ屋敷に暮らすモンスター一族のアダムス・ファミリー、父ゴメズと母モーティシア、娘のウェンズデー、息子のパグズリーが、丘の下の住宅地に住む人間たちと関わって、大騒動になるというもの。

 吹き替え版では、かっぷくがよくチョビヒゲのゴメズを生瀬勝久、無表情で人間の中学生たちを驚かせるウェンズデーを二階堂ふみ、まん丸顔につるつる頭のゴメズの兄フェスターおじさんにロバート秋山竜二、そしてげっそりと顔色が悪く超スレンダーの体を黒いロングドレスに包んだモーティシアを杏が演じているのである。

 不気味な黒雲から雨がポツポツする空を見て「なんてすばらしい朝かしら」とうれしそうなモーティシアは、魔女の家系に生まれ、ドレスの下に無数の蜘蛛を飼っている。考えただけでゾワゾワするが、家族をとっても大事にするマダムなのである。

 杏といえば、モデルとして海外のコレクションにも多数出演。その後、『ごちそうさん』でNHK朝ドラのヒロイン、『半沢直樹』と同じ池井戸潤原作の『花咲舞が黙ってない』では正義感あふれる銀行員、『デート~恋とはどんなものかしら』でフジテレビ月9の変わり者の主人公と、人気女優の王道を歩んできた。が、一方でマネのできない人間離れした役を数多く演じてきた。

 2011年、アニメヒットから四十余年の時を経てまさかの実写化と騒がれたドラマ『妖怪人間ベム』で、女妖怪人間ベラとして登場。こってりした妖怪メイクで、悪いやつにムチをふるった。杏がベラ!?と驚くかと思ったら、意外に違和感がないことにびっくりしたものだ。

 また、2013年の『幽かな彼女』では、香取慎吾演じる教師の部屋に棲みついた地縛霊に。幽霊なのに、いろいろと問題を抱えている複雑な存在だった。人間の役も個性派が多い。映画『忍たま乱太郎』では、一瞬にしてお婆さん(中村玉緒)に変身する女忍者教室の先生を演じている。歴女としても知られ、大河ドラマ『平清盛』では、初回に毛皮のパンツルックのような勇ましい姿の北条政子になって源氏の勝利を祝い、フジテレビの『剣客商売』シリーズでは、男装した女性剣士として多くの悪人を打ち負かしていた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(Instagram/時事通信フォト)
《ゴルフ・横田真一プロと2年前に離婚》穴井夕子が明かしていた「夫婦ゲンカ中の夫への不満」と“家庭内別居”
NEWSポストセブン
二刀流かDHか、先発かリリーフか?
【大谷翔平のWBCでの“起用法”どれが正解か?】安全策なら「日本ラウンド出場せず、決勝ラウンドのみDHで出場」、WBCが「オープン戦での調整登板の代わり」になる可能性も
週刊ポスト
高市首相の発言で中国がエスカレート(時事通信フォト)
【中国軍機がレーダー照射も】高市発言で中国がエスカレート アメリカのスタンスは? 「曖昧戦略は終焉」「日米台で連携強化」の指摘も
NEWSポストセブン
テレビ復帰は困難との見方も強い国分太一(時事通信フォト)
元TOKIO・国分太一、地上波復帰は困難でもキャンプ趣味を活かしてYouTubeで復帰するシナリオも 「参戦すればキャンプYouTuberの人気の構図が一変する可能性」
週刊ポスト
世代交代へ(元横綱・大乃国)
《熾烈な相撲協会理事選》元横綱・大乃国の芝田山親方が勇退で八角理事長“一強体制”へ 2年先を見据えた次期理事長をめぐる争いも激化へ
週刊ポスト
2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン