国内

菅首相の冷徹な一面 ふるさと納税の問題指摘した官僚を左遷

菅内閣は、安倍内閣を継承する「居抜き内閣」とも(写真/GettyImages)

 就任からわずか3週間、非難も歓迎も、時期尚早だ。新政権のリーダーが貫こうとしている“正義”とは何か、そもそも一国を担うリーダーの素質は持ち得ているのか──。

 安倍政権を受け継ぐ形で誕生した菅義偉首相(71才)は、これまで安倍前首相の補佐役としてその政策を支えてきた。ところが、安倍前首相が推し進めたアベノミクスへの評価は芳しくない。経済評論家の浜矩子さんはいう。

「安倍前首相の求める強くて大きな国をつくるために、株価を上げて雇用を増やし、経済活動を活発にしようとした。そもそも目的が間違っていて、何ひとつ評価できません」(浜さん)

 事実、株価は上昇したが国民の格差が広がり、所得が減って生活保護受給者の数が増えている。成功例とされるインバウンドも、実際に潤ったのは東京、大阪、京都、福岡、広島などの大都市だけ。地方は疲弊し、地域格差の広がりも指摘されている。

 菅首相がことあるごとに自分の手柄としてアピールするのが、総務相時代に主導して2008年からスタートした「ふるさと納税」。自分が応援したい自治体を選んで寄付すると、特産品や宿泊券などの返礼品がもらえて、税制面でも優遇される制度だ。

「そもそも菅さんが人口減に苦しむ故郷の秋田に貢献しようとして考え出した制度です。地元は、菅さんのおかげで潤ったと大喜びしました」(政治関係者)

 しかし、『総理の影 菅義偉の正体』(小学館)の著者でジャーナリストの森功さんは「完全な愚策」と断言する。最大の問題は、返礼品をつけてしまったことだ。

「寄付とは名ばかりで、高級な返礼品をお得に入手するネット通販のように受け取られている。年収が多いほど税控除の金額が高く、金持ちほど得をするため、ますます格差が広がっています」(森さん・以下同)

関連キーワード

関連記事

トピックス

トランプ米大統領と高市早苗首相(写真・左/Getty Images、右/時事通信フォト)
《トランプ大統領への仕草に賛否》高市首相、「媚びている」「恥ずかしい」と批判される米軍基地での“飛び跳ね” どう振る舞えば批判されなかったのか?臨床心理士が分析
NEWSポストセブン
真美子さんが完走した「母としてのシーズン」
《真美子さんの献身》「愛車で大谷翔平を送迎」奥様会でもお酒を断り…愛娘の子育てと夫のサポートを完遂した「母としての配慮」
NEWSポストセブン
アメリカ・オハイオ州のクリーブランドで5歳の少女が意識不明の状態で発見された(被害者の母親のFacebook /オハイオ州の街並みはサンプルです)
【全米が震撼】「髪の毛を抜かれ、口や陰部に棒を突っ込まれた」5歳の少女の母親が訴えた9歳と10歳の加害者による残虐な犯行、少年司法に対しオンライン署名が広がる
NEWSポストセブン
新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
《新恋人発覚の安達祐実》沈黙の元夫・井戸田潤、現妻と「19歳娘」で3ショット…卒業式にも参加する“これからの家族の距離感”
NEWSポストセブン
キム・カーダシアン(45)(時事通信フォト)
《カニエ・ウェストの元妻の下着ブランド》直毛、縮れ毛など12種類…“ヘア付きTバックショーツ”を発売し即完売 日本円にして6300円
NEWSポストセブン
2025年10月23日、盛岡市中心部にあらわれたクマ(岩手日報/共同通信イメージズ)
《千島列島の“白いヒグマ”に見える「熊の特異な生態」》「冬眠」と「交雑繁殖」で寒冷地にも急激な温暖化にも対応済み
NEWSポストセブン
中村雅俊が松田優作との思い出などを振り返る(撮影/塩原 洋)
《中村雅俊が語る“俺たちの時代”》松田優作との共演を振り返る「よく説教され、ライブに来ては『おまえ歌をやめろよ』と言われた」
週刊ポスト
レフェリー時代の笹崎さん(共同通信社)
《人喰いグマの襲撃》犠牲となった元プロレスレフェリーの無念 襲ったクマの胃袋には「植物性のものはひとつもなく、人間を食べていたことが確認された」  
女性セブン
大谷と真美子夫人の出勤ルーティンとは
《真美子さんとの出勤ルーティン》大谷翔平が「10万円前後のセレブ向けベビーカー」を押して球場入りする理由【愛娘とともにリラックス】
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(秋田県上小阿仁村の住居で発見されたクマのおぞましい足跡「全自動さじなげ委員会」提供/PIXTA)
「飼い犬もズタズタに」「車に爪あとがベタベタと…」空腹グマがまたも殺人、遺体から浮かび上がった“激しい殺意”と数日前の“事故の前兆”《岩手県・クマ被害》
NEWSポストセブン
「秋の園遊会」でペールブルーを選ばれた皇后雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《洋装スタイルで魅せた》皇后雅子さま、秋の園遊会でペールブルーのセットアップをお召しに 寒色でもくすみカラーで秋らしさを感じさせるコーデ
NEWSポストセブン
チャリティーバザーを訪問された秋篠宮家・次女の佳子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《4年会えていない姉への思いも?》佳子さま、8年前に小室眞子さんが着用した“お下がり”ワンピで登場 民族衣装のようなデザインにパールをプラスしてエレガントに
NEWSポストセブン