BTSを起用した韓国語学習を世界の大学へ
さらにBig Hitの多角的なビジネスコンテンツの中には、教育部門に特化した傘下の会社も存在する。8月12日、Big Hit傘下の教育独立法人Big Hit Edu(ビッグヒット・エデュ)は、韓国国際交流財団(KF)、韓国外国語大学校と業務提携契約を結び、海外で韓国語教育事業を推進すると発表した。BTSが登場し、彼らが実際によく使う表現を真似しながら韓国語を学べるような韓国語教材を今年の秋学期から米国、フランス、エジプト、ベトナムなどの大学が採用し、オンライン韓国語講座が開設される。
そしていま韓国証券業界が注目しているのが、10月中旬に予定しているBig Hitの韓国取引所への上場である。上場に成功すれば、筆頭株主のパン・シヒョク代表は、韓国の株式長者番付で10位前後に入る見通しだといわれている。
9月7日のハンギョレ新聞によると、パン代表はBig Hit株を公募後基準で36.6%(1237万7337株)保有、初値の公募価格が希望価格の上限13万5000ウォン(約11万2000円)に決まった場合、パン代表は株式保有額で韓国最大手の新羅ホテル社長を上回る見込みで、公募価格の2倍以上なら現代自動車会長よりも上位にランクする可能性もあるという。
現在、株式長者番付で芸能界第1位は、後述する日本人新人ガールズグループNiziUをプロデュースして、自身もいま日本で社会現象を起こしているアーティスト兼プロデューサーのJ.Y. Park(パク・ジニョン)JYP取締役(2566億ウォン/約230億円)だが、パン氏の株式保有額はパク氏より5.5倍多いということになる。
証券業界による株価の推定時価総額は4000億円超とされ、その額は日本のアミューズやエイベックスの約10倍に相当する。
さらにパン代表は8月33日、BTSのメンバー7人に計47万8695株の普通株を均等に贈与したこともわかった。
メンバー1人当たり66万8385株の株式を保有することになり、Big Hitの公募価格が希望価格の上限である13万5000ウォン(約1万2000円)に決定された場合の株式評価額は92億3200万ウォン(約8億2602万円)に、また上場初日に株価が公募価格の2倍に決定された後のストップ高になった場合は、株当たりの株価は35万1000ウォン(約33万1000円)まで跳ね上がり、メンバー1人当たりの株式保有価値は240億313万ウォン(約21億4000万円)となる試算だ。
BTSのメンバーは韓国男子の義務である兵役に就く時期が迫っているため、そこまで株価は跳ね上がらないのではないかという意見もあるが、韓国においてエンタメが経済を牽引していることは間違いない。