数年前から、高齢者を対象に肺炎球菌ワクチンが定期接種となった。自治体からワクチン接種をすすめられたがどうしたらいいかと、患者さんから相談されることがあるが、できるだけ受けといたほうがいいと答えている。
肺炎球菌感染症は、中耳炎や副鼻腔炎などのほか、肺炎も起こす。肺炎になると、左右のどちらかの肺に刺すような痛みが起こり、胸水がたまることも珍しくない。細菌が全身に広がることもある。
高齢者は重い症状を起こしやすいので、ワクチンを受けておくほうがいい。しかも、ワクチンには免疫増強剤も入っているので、BCGと同じように、新型コロナウイルスに対してもわずかだが自然免疫力を強化して感染しにくくしてくれるという説もある。
【プロフィール】
かまた・みのる/1948年生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業後、長野県の諏訪中央病院に赴任。現在同名誉院長。チェルノブイリの子供たちや福島原発事故被災者たちへの医療支援などにも取り組んでいる。著書に、『人間の値打ち』『忖度バカ』など多数。
※週刊ポスト2020年10月16・23日号