国内

SNSでの「個人間融資」 返済トラブルからリベンジポルノも

ツイッター上で融資を持ち掛ける投稿(時事通信フォト)

ツイッター上で融資を持ち掛ける投稿(時事通信フォト)

 駅裏の薄暗いビルにある素性が分からない金貸し屋だったら、そのドアを開けて金を借りようとする人は限られるだろう。ところが、実態はそれほど変わらない、いやもっと悪質かもしれないのに日常的にスマホでみかけるSNSで知ったからと借りてしまう人が少なくない。だが、それをきっかけにSNSでもリアルでも居場所を失う人が後を絶たない。ライターの森鷹久氏が、SNSの個人間融資を利用した人が、すべてを失うことになった顛末についてレポートする。

 * * *
「たった5万円です。たった5万円であそこまでするでしょうか……」

 こう言って泣き崩れたのは、関東某県在住のアルバイト・中田春奈さん(40代・仮名)。ほんの半年前まで、生まれ育った実家で暮らしながら、近くの飲食店に勤務するというごく平凡な生活を送っていたのだが、とあるきっかけで、何もかも失った。

「給料日直前、どうしてもお金が必要になり、ツイッターで知り合った方から、5万円を借りました。もちろん、いけないことだとは思っていましたが、給料で返せばいい、そう思っていたんです」(中田さん)

 ツイッターなどのSNS上で「個人間融資」と検索すれば山ほど出てくる怪しげなアカウントや書き込み。これらはすべて、関係機関に届け出などをしていない違法な「闇金」業者であり、10日で1割というこれまた違法な利息を取る通称「トイチ」、もしくはそれ以上の高い金利をつけて客に金を貸す。

 中田さんの両親は共に介護が必要な後期高齢者で、特別養護老人ホームで暮らしている。2人の年金や介護保険を使っても入居費用は賄えず、中田さんの十数万円の月給から月数万円を捻出しなければならない。さらに悪いことに、両親が施設に入る直前に自宅のリフォームとバリアフリー工事を行なったため、銀行で借りたローンもたっぷり残っている。そこにきてのコロナ禍は、まさに泣きっ面に蜂と言えた。

「コロナで仕事がなくなり、給与が片手ほどしかもらえない。銀行への返済が滞ると信用情報に傷がつくと聞き、その場しのぎのつもりでSNS経由で借りました。ツイッターとラインでやり取りをし、いつまでに返済するという念書を書き、私の顔写真と共に相手に送りました。その際、住所の確認用にと免許証と保険証の写真も要求され、言われるがまま送りました。危ないことだとは思いましたが、頭の中が返済でいっぱいでした」(中田さん)

 怪しい業者に5万円を借りた中田さんだったが、口座に振り込まれたのはなぜか3万9千円程。業者によれば、5千円は利息の天引き、残り5千円は事務手数料、端数は銀行への振込手数料である、ということだった。利息の説明はあったものの、そのほかの手数料についての説明はなく、納得がいかない中田さんは、その件について、先方を問い詰めた。すると……。

「急に、送られてくるメールの文調が怖い感じになり、返さないなら考えがあるとか、文句があるなら警察へ駆け込めばいい、と送られてくるようになりました。返済期限前に、4万5千円を振り込むと、それでは足りないと催促されました。返すものは返したし問題ないと思っていると、一週間ほどで勤務先の上司から呼び出されました」(中田)

関連記事

トピックス

『酒のツマミになる話』に出演する大悟(時事通信フォト)
『酒のツマミになる話』が急遽差し替え、千鳥・大悟の“ハロウィンコスプレ”にフジ幹部が「局の事情を鑑みて…」《放送直前に混乱》
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(HP/時事通信フォト)
「私嫌われてる?」3年間離婚を隠し通した元アイドルの穴井夕子、破局後も元夫のプロゴルファーとの“円満”をアピールし続けた理由
NEWSポストセブン
小野田紀美・参議院議員(HPより)
《片山さつきおそろスーツ入閣》「金もリアルな男にも興味なし」“2次元”愛する小野田紀美経済安保相の“数少ない落とし穴”とは「推しはアンジェリークのオスカー」
NEWSポストセブン
『週刊文春』によって密会が報じられた、バレーボール男子日本代表・高橋藍と人気セクシー女優・河北彩伽(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
「近いところから話が漏れたんじゃ…」バレー男子・高橋藍「本命交際」報道で本人が気にする“ほかの女性”との密会写真
NEWSポストセブン
記者会見を終え、財務省の個人向け国債のイメージキャラクター「個子ちゃん」の人形を手に撮影に応じる片山さつき財務相(時事通信フォト)
《つけまも愛用》「アンチエイジングは政治家のポリシー」と語る片山さつき財務大臣はなぜ数十年も「聖子ちゃんカット」を続けるのか 臨床心理士が指摘する政治家としてのデメリット
NEWSポストセブン
森下千里衆院議員(時事通信フォト)
「濡れ髪にタオルを巻いて…」森下千里氏が新人候補時代に披露した“入浴施設ですっぴん!”の衝撃【環境大臣政務官に就任】
NEWSポストセブン
aespaのジゼルが着用したドレスに批判が殺到した(時事通信フォト)
aespa・ジゼルの“チラ見え黒ドレス”に「不適切なのでは?」の声が集まる 韓国・乳がん啓発のイベント主催者が“チャリティ装ったセレブパーティー”批判受け謝罪
NEWSポストセブン
高橋藍の帰国を待ち侘びた人は多い(左は共同通信、右は河北のインスタグラムより)
《イタリアから帰ってこなければ…》高橋藍の“帰国直後”にセクシー女優・河北彩伽が予告していた「バレープレイ動画」、uka.との「本命交際」報道も
NEWSポストセブン
歓喜の美酒に酔った真美子さんと大谷
《帰りは妻の運転で》大谷翔平、歴史に名を刻んだリーグ優勝の夜 夫人会メンバーがVIPルームでシャンパングラスを傾ける中、真美子さんは「運転があるので」と飲まず 
女性セブン
安達祐実と元夫でカメラマンの桑島智輝氏
《ばっちりメイクで元夫のカメラマンと…》安達祐実が新恋人とのデート前日に訪れた「2人きりのランチ」“ビジュ爆デニムコーデ”の親密距離感
NEWSポストセブン
イベントの“ドタキャン”が続いている米倉涼子
「押収されたブツを指さして撮影に応じ…」「ゲッソリと痩せて取り調べに通う日々」米倉涼子に“マトリがガサ入れ”報道、ドタキャン連発「空白の2か月」の真相
NEWSポストセブン
元従業員が、ガールズバーの”独特ルール”を明かした(左・飲食店紹介サイトより)
《大きい瞳で上目遣い…ガルバ写真入手》「『ブスでなにもできないくせに』と…」“美人ガルバ店員”田野和彩容疑者(21)の“陰湿イジメ”と”オラオラ営業
NEWSポストセブン