芸能

「流され女優」ひし美ゆり子 50年経っても色褪せぬ輝き

50年経ち、ふたたび脚光を浴びるひし美ゆり子(『ひし美ゆり子写真集 YURIKO 1967-73 Evergreen』(復刊ドットコム)より)

 NHK BS4Kで『ウルトラセブン』の4Kリマスター版が放送され、ふたたび注目が集まっているのが、「アンヌ隊員」を演じた女優・ひし美ゆり子だ。今回はその秘蔵写真を特別公開。「流され女優」の粋と艶について、樋口尚文氏(映画評論家・映画監督)が解説する。

 * * *
 1974年のイタリア映画に『流されて…』という艶笑コメディがあった。わがひし美ゆり子さんの女優人生を鳥瞰する本をご一緒にまとめていた時に、私はきわめて独特なひし美さんの足跡を一言で言い表すキーワードがないかなと考えていたが、そこでひらめいたのがこのイタリア映画の邦題『流されて…』だった。ひし美さんもお気に召したもようで以後時々「流され女優」を標榜されることがある。

 ではなぜ『流されて…』なのかと言えば、ひし美さんは高校2年の時にさるミスコンに(賞品目当て!!)参加していきなり準ミスとなり、東宝のニューフェイスに採用されて60年代半ばからさまざまな映画やドラマに顔を出す。放映後半世紀を経て、今もなお4K版(※NHKのBS4Kにて毎週火曜午後11:15~翌午前0:10に放送中)が放映されて話題を呼んでいる円谷プロの『ウルトラセブン』とて、そんなあれこれとこなしていたお仕事の一本に過ぎなかった。

 ビデオもない当時のテレビ番組は一期一会の消耗品だったから、子どもたちに秘かに憧れられていたアンヌ隊員ことひし美さんは、さらりとそんなイメージも脱ぎ捨てて、70年代前半からはコケティッシュな表情とグラマーな肢体の魅力を活かしてB級プログラム・ピクチャーのお色気要員をみごとにつとめあげ、しかし女優という仕事にしがみつくでもなくあっさりと引退して普通の主婦になり、子宝にも恵まれた。

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