一説によると、これだけで、脳が使うエネルギーの6~8割を消費しているといわれています。また、人は活動している時間の47%を、自分で生み出した不安や心配事について悩むことに費やしているともいわれます。リラックスできる体勢で目を閉じ、瞑想するように“いま、自分の体と心がどうなっているか、何を感じるか”を観察する『マインドフルネス』を習慣づけると、自分の苦悩や、悩んでいる自分を客観視できるようになり、現実を克服できます」(杉浦さん)
身近に悩んでいそうな人がいたら、とにかく、その人の言葉に耳を傾けること。
「余計なアドバイスは不要。“大変だね”“つらいね”と相槌を打つだけで充分です」(樺沢さん)
自殺を予防する確実な方法はまだ存在せず、いまも何百万人もの人が“死にたい心”を抱えて生きている。でも、裏を返せば、苦しいのは自分だけではないということ。社会学者で大学院大学至善館教授の橋爪大三郎さんはいう。
「大切なのは、“誰もが何かに困っている”ことに気づくこと。自殺は人間にしかできません。そして、自殺は勇気がないとできません。自殺するほどの勇気があれば、なんでもできるはずなのです」(橋爪さん)
ある日突然あなたや周りの誰かに“死にたさ”がやってきたら──少なくとも、あなたは悪くないということだけは、覚えておいてほしい。
【相談窓口】
「日本いのちの電話」
ナビダイヤル0570-783-556(午前10時~午後10時)
フリーダイヤル0120-783-556(毎日午後4時~午後9時、毎月10日午前8時~翌日午前8時)
※女性セブン2020年10月29日号