三浦春馬さん訃報の衝撃や悲しみは未だに衰えない三浦春馬(時事通信フォト)
その姿勢は、三浦さんの死のすぐ後からみられた。
「密葬を行った際、友人たちはもう少しゆっくりお別れをしたいと希望しましたが、母親はすぐ荼毘に付して、最後のお別れをしました。当時は混乱した状況で仕方のない面もあったかもしれませんが、多くの友人たちは、いまだに遺骨がどこにあるかわからないことに戸惑いを感じています」(前出・三浦さんと近しい関係者)
遺品や遺産が散逸することも
友人たちの一部は、三浦さんが大切にしていたものなどを譲り受けて、形見として彼がこの世に生きた証にしたいと望んでいるそうだが、三浦さんの母親とはなかなか連絡がつかないという。
「むしろ避けられているんじゃないかとの疑念が生じています。このまま大切な遺品を処分されてしまうのではと心配です。もちろん、春馬さんの残したものが大きいだけに、『遺産目当てで近づいてくる者もいるのでは』と母親が疑心暗鬼になるのもわかるのですが……」(前出・三浦さんと近しい関係者)
三浦さんの両親の関係の複雑さが、遺産、遺品、そして遺骨や墓の行方をさらに不透明にしている。すでに指摘したように、三浦さんには実父、実母、継父と3人の「親」がいる。三浦さんをずっと育ててきたのは母親だが、この数年は断絶し、実父を頼ったこともあった。
「離婚した実母と実父は春馬さんの生前から、緊密に連絡を取り合う仲ではありませんでした。そんななかで突然、相続権利のある莫大な遺産が生じて、率直に言って2人とも困惑しているようです。弁護士を通じての協議ということになるのでしょうが、まだ話し合いすら始まっていない。だから遺骨やお墓をどうするかも、まったく宙に浮いています」(三浦家の関係者)
未婚で子供のいない三浦さん。法的にはどうなるのか。司法書士法人ABC代表の椎葉基史さんが指摘する。
「三浦さんは実母の戸籍から籍を抜いたそうですが、基本的に籍を抜いても戸籍が別になるだけで、法律上の親子関係は切れません。また離婚して母親が育てた期間が長くても実父の相続権は消えないので、実質的に実父と実母が相続権を持つことになります。ただし再婚相手の継父と三浦さんが養子縁組をしていれば、継父に相続権が生じる可能性もあります」
一般論でいえば、両親で遺産を半分ずつ分けることが妥当であるのだが──育てた期間を考えれば実母が、最後の数年間、実母との縁を切っていた事実を鑑みれば実父が、より有利な権利を主張できるようにもみえる。
「遺産分割をする前に、一部の家族しかその存在を把握していない遺品や遺産が散逸してしまうことは、少なからずある事態」(前出・椎葉さん)というので、三浦さんの残したものにも心配は尽きない。そうした不安定な状況が、墓にも影響する。
「遺骨をいま、父と母のどちらが持っているのか。分骨をすることになるのか。どちらの墓に入ることになるのか。それとも、どちらかが新しく建てる墓に入るのか。それらは、今後の遺産分割の協議とも密接に関係します。本当にわからないことだらけで、いつになったら話し合いが決着して、墓に納骨がされるのか、想像もつきません」(前出・三浦家の関係者)