国内

官邸テレビ監視文書 玉川徹氏は記録も、良純&一茂はスルー

注目タイトルは目立つようマーキングされている

注目の番組タイトルは目立つようマーキングされている

 菅義偉・首相が野党時代の2012年に刊行した単行本『政治家の覚悟』を改訂した新書が刊行され、「政府があらゆる記録を克明に残すのは当然」と公文書管理の重要性を訴える記述が削除されたことが物議を醸している。

 森友・加計問題など、安倍政権の末期には公文書をめぐる疑惑が噴出した。なかでも、昨年5月に発覚した「桜を見る会」に安倍首相(当時)の後援者らが多数招待されていた問題では、招待者名簿が破棄されていたことに批判が起きた。

 官房長官の立場で問題に関わり、後継となった菅氏には、「桜を見る会」はいつ爆発するか分からない“地雷”だ。本から公文書に関する記述を削除したのも、菅氏が桜を見る会の追及を恐れているからではないか。政治アナリストの伊藤惇夫氏は語る。

「安倍政権を継承するという方針を示した菅氏は、“負の遺産”も継承することになった。その象徴が、桜を見る会です。菅氏は9月16日の就任会見で『来年以降中止にする』と表明し幕引きを図りましたが、著書で公文書の記述を削除したことが明らかになったことから、今後の臨時国会では野党から桜を見る会と絡めて追及されるでしょう」

 そんななか本誌・週刊ポストは、菅氏がいかにこの問題を恐れてきたかの証拠となる“公文書”を入手した。

 文書には〈〇月〇日の報道番組の概要〉〈内閣広報室 担当〇〇〉と記名があり、その日のテレビ番組が列挙され、一部のコメンテーターの発言が抽出されている。東京都内の男性が情報公開請求したもので、桜を見る会問題が追及された今年1月までの10か月間に、菅氏をトップとする内閣官房がテレビの放送内容をチェックした記録である。

 文書は255枚にも及ぶ。毎日番組を観続けて文字に起こした職員たちの労力は相当だろう。

 取り上げられた番組は、朝の『スッキリ』(日本テレビ系)、『モーニングショー』(テレビ朝日系)、『とくダネ!』(フジテレビ系)、昼の『ひるおび!』(TBS系)、夜は『報道ステーション』(テレビ朝日系)、『NEWS23』(TBS系)、週末は『日曜討論』(NHK)、『サンデーモーニング』(TBS系)など。コメンテーターがいないストレートニュースの番組は除外され、情報番組でも『バイキング』(フジ系)、『サンデージャポン』(TBS系)などバラエティ色が強い番組、『news every.』(日テレ系)、『Live News it!』(フジ系)など夕方の番組も見当たらない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
高市早苗総理の”台湾有事発言”をめぐり、日中関係が冷え込んでいる(時事通信フォト)
【中国人観光客減少への本音】「高市さんはもう少し言い方を考えて」vs.「正直このまま来なくていい」消えた訪日客に浅草の人々が賛否、着物レンタル業者は“売上2〜3割減”見込みも
NEWSポストセブン
全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン