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かつて「飛び降り巻き添え事件」の現場に居合わせた人の無念

2007年、女性が飛び降り男性が巻き添えになった池袋駅前(時事通信フォト)

2007年、女性が飛び降り男性が巻き添えになった池袋駅前(時事通信フォト)

あの音だけは覚えている

 いまから13年前の2007年11月6日、お昼1時を回ろうかというその時、池袋駅併設の百貨店パルコから25歳無職の女性が飛び降りた。そしてパルコ前を歩いていた38歳の男性会社員に直撃、女性は即死、巻き添えとなった男性は重体だったが4日後の10日に亡くなった。もう記憶の彼方のこの事件、今回の大阪梅田駅「HEP FIVE」の飛び降り事件と時と場所、そして人は違えどよく似たシチュエーションが繰り返されてしまった。

「振り返ったら20mくらいかな、本当に近かった。血とかももちろんですけど、ピンク色の何かが出てて…見間違いとか記憶が変わってるのかもしれませんけど、その不気味なピンクは覚えてます。悲鳴はもちろん、何が起きたのかわからない人が呆然と立ってると思えば、走り出した拍子に転んだ人とかパニック状態でした」

 それはそうだろう。風間さんの記憶が状況やら色、目視の距離など不正確なのは無理もない。そして被害者の男性に至ってはおそらく記憶はパルコを歩いていたその瞬間のまま、何も知らないで数日後に亡くなってしまった。

「自分がもし数秒遅く歩いていたらとか、ちょっと立ち止まったらとか考えるとゾッとしました」

 その日、その事件を私に話す風間さんは食が進まないとランチを残した。私もそれは覚えている。

「とにかくショックでした。目の前であんなの……あとで報道知ったら被害者の人、ほぼ同い年ですし」

 顔面複雑骨折などで意識不明重体だった被害者は会社が休みで池袋に来ていたという。せっかくの休日で楽しいはずの池袋、まさか空から人が降ってきて死ぬなど誰が想像するだろう。今回の大阪梅田駅の事故も、巻き添えとなってしまった19歳の女子大学生はそんなことになるなんて、思いもよらなかっただろう。理不尽過ぎる。

「私もあの時、路上の二人を間近に見てしまいましたからね。見なきゃよかったと思うし、あの衝撃音とか、自分がもし、なんて考えたらしばらくトラウマになりましたよ。今回でまた思い出すハメになったし、自殺するならみんなに迷惑かけないで欲しいです」

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