芸能

高田文夫氏 台本に何万回と書いた「筒美京平」の4文字

作曲家・筒美京平さんに向けて

作曲家・筒美京平さんに向けて

 放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、訃報が伝えられた作曲家の筒美京平さんの曲にまつわるあれこれについてつづる。

 * * *
 まさに巨星墜つ。シングル39曲がなんとオリコン1位。日本中誰もが知っている歌を作曲し、そのくせ誰もその素顔は知らなかった。筒美京平の作曲シングル売り上げトップ5が『魅せられて』(ジュディ・オング 123万枚)、『スニーカーぶる~す』(近藤真彦 104万枚)、『ブルー・ライト・ヨコハマ』(いしだあゆみ 100万枚)、『また逢う日まで』(尾崎紀世彦 95万枚)、『ロマンス』(岩崎宏美 88万枚)。ここまで書いてきてもうため息が出た。凄すぎるのだ。私が芸能・放送の世界に飛び込んで、50年、結局一度もそのお姿をおみかけすることすらなかった。

 1980年に“漫才ブーム”が来て、その時ビートたけしと共に世の中に少し出た私だが、その前の1971年からの10年間、テレビ界は歌謡曲大全盛時代。たけしの脳味噌によってテレビの中で歌手と笑芸人の立ち位置が大逆転するのだが……。

 20代の私の10年間は来る日も来る日も歌番組の構成台本ばかり書いて、たまに“笑い”の要素もなんて注文で、歌手アイドル達の学芸会みたいなコントを書かされた。台本には出演者達の歌も書き込み、作詞・作曲の名も入れた。いつもいつもどこでも「筒美京平」の四文字。何千回何万回この四文字を台本に書いただろう。常に新しくいつまでも古くならない最強のメロディだった。

 1967年ヴィレッジ・シンガーズの『バラ色の雲』に乗って出発。1968年『スワンの涙』を流す『おれは怪物くんだ』。1969年『サザエさん』と『粋なうわさ』が立ちまして、1970年『雨がやんだら』『あなたならどうする』。

 1971年『さらば恋人』と言って『また逢う日まで』、あれは『17才』の『青いリンゴ』の頃の『真夏の出来事』でした。『潮風のメロディ』がきこえる『雨のエアポート』では『お世話になりました』。1972年『純潔』な『男の子女の子』は『ひまわりの小径』で『初恋のメロディー』に『芽生え』たのです。

関連キーワード

関連記事

トピックス

役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さんが今も築地本願寺を訪れる理由とは…?(事務所提供)
《笑福亭笑瓶さんの月命日に今も必ず墓参り》俳優・山口良一(70)が2年半、毎月22日に築地本願寺で眠る亡き親友に手を合わせる理由
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月20日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン