芸能

黒沢年雄 東宝ニューフェイス合格のため面接で決行した作戦

黒沢年雄が俳優を目指したきっかけを振り返る

黒沢年雄が俳優デビューまでの道のりを振り返る

 映画史・時代劇研究家の春日太一氏がつづった週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』。今回は、俳優の黒沢年雄が、映画俳優を志して、各社のニューフェイスを受験したころについて語った言葉をお届けする。

 * * *
 黒沢年雄は一九四四年、横浜に生まれる。少年時代はプロ野球選手を目指したが十六歳で挫折、同時期に母親を亡くした。

「おふくろが死んで、それからだ。ちょっとぐれて、町の不良になった。もう学校には行ったり行かなかったり。それでも犯罪だけは起こさなかったけど。

 それで思ったんだ。俺はもしかしたら将来やくざになる。でも、やくざは嫌だ──と。

 もっと大きな夢を持たなきゃ──と思っていた時に映画俳優になろうとなった。映画俳優は野球選手と同じように夢を与えることができる。石原裕次郎さんは俺に夢を与えてくれた。寂しい時、悲しい時、お腹がすいてる時でも、映画を見ている時はみんな忘れさせてくれる。

 俺、映画俳優になるからそういう学校に入れてくれと親父に言ったら、一言、『金なんてねえよ』と。それで、いろんな仕事を経験して、それを俳優の役に立てようと思ったんだ。やれるものは、全部やったんです。夜はキャバレーのボーイ。十一時半頃までやったら朝四時までバーテン。ダンプの運転免許も持っている。二年半で三十くらいの仕事をやったんだよ。一挙に三つ四つ掛け持ちでね。だから、俺の演技は全て実体験から来ている。

 車のセールスマンもやったんだけど、サラリーマン役はできなかったな。唯一できない。俺はキャラクターが強いから。

 のちに森繁久彌さんにも『お前はサラリーマンできないな』とよくバカにされましたよ」

関連記事

トピックス

山本由伸の自宅で強盗未遂事件があったと報じられた(左は共同、右はbackgrid/アフロ)
「31億円豪邸の窓ガラスが破壊され…」山本由伸の自宅で強盗未遂事件、昨年11月には付近で「彼女とツーショット報道」も
NEWSポストセブン
佳子さまも被害にあった「ディープフェイク」問題(時事通信フォト)
《佳子さまも標的にされる“ディープフェイク動画”》各国では対策が強化されるなか、日本国内では直接取り締まる法律がない現状 宮内庁に問う「どう対応するのか」
週刊ポスト
『あんぱん』の「朝田三姉妹」を起用するCMが激増
今田美桜、河合優実、原菜乃華『あんぱん』朝田三姉妹が席巻中 CM界の優等生として活躍する朝ドラヒロインたち
女性セブン
東日本大震災発生時、ブルーインパルスは松島基地を離れていた(時事通信フォト)
《津波警報で避難は?》3.11で難を逃れた「ブルーインパルス」現在の居場所は…本日の飛行訓練はキャンセル
NEWSポストセブン
別府港が津波に見舞われる中、尾畠さんは待機中だ
「要請あれば、すぐ行く」別府湾で清掃活動を続ける“スーパーボランティア”尾畠春夫さん(85)に直撃 《日本列島に津波警報が発令》
NEWSポストセブン
宮城県気仙沼市では注意報が警報に変わり、津波予想も1メートルから3メートルに
「街中にサイレンが鳴り響き…」宮城・気仙沼市に旅行中の男性が語る“緊迫の朝” 「一時はネットもつながらず焦った」《日本全国で津波警報》
NEWSポストセブン
モンゴルを公式訪問された天皇皇后両陛下(2025年7月16日、撮影/横田紋子)
《モンゴルご訪問で魅了》皇后雅子さま、「民族衣装風のジャケット」や「”桜色”のセットアップ」など装いに見る“細やかなお気遣い”
夜の街での男女トラブルは社会問題でもある(写真はイメージ/Getty)
「整形費用返済のために…」現役アイドルがメンズエステ店で働くことになったきっかけ、“ストーカー化した”客から逃れるために契約した「格安スマホ」
NEWSポストセブン
大谷家の別荘が問題に直面している(写真/AFLO)
大谷翔平も購入したハワイ豪華リゾートビジネスが問題に直面 14区画中8区画が売れ残り、建設予定地はまるで荒野のような状態 トランプ大統領の影響も
女性セブン
技能実習生のダム・ズイ・カン容疑者と亡くなった椋本舞子さん(共同通信/景徳鎮陶瓷大学ホームページより)
《佐賀・強盗殺人》ベトナム人の男が「オカネ出せ。財布ミセロ」自宅に押し入りナイフで切りつけ…日本語講師・椋本舞子さんを襲った“強い殺意” 生前は「英語も中国語も堪能」「海外の友達がいっぱい」
NEWSポストセブン
休場が続く横綱・豊昇龍
「3場所で金星8個配給…」それでも横綱・豊昇龍に相撲協会が引退勧告できない複雑な事情 やくみつる氏は「“大豊時代”は、ちょっとイメージしづらい」
週刊ポスト
NYの高層ビルで銃撃事件が発生した(右・時事通信フォト)
《5人死亡のNYビル乱射》小室圭さん勤務先からわずか0.6マイル…タムラ容疑者が大型ライフルを手にビルに侵入「日系駐在員も多く勤務するエリア」
NEWSポストセブン