ボトルタイプのものは最初に200ミリリットルが発売され好評を博したことから、次は中容量サイズのボトルの開発に着手。調理中に使うことを想定して、大さじ2〜3杯程度の量がスムーズに出せるよう、工夫を施した。
キャップの硬さ・注ぎ口の径や逆止弁の可動範囲・ボトルの形状や肉厚などを少しずつ変えながら手探りで最適なバランスを探した。特にこだわったのはボトルの復元力。調理中に使用するとき、ボトルを押してしょうゆを出した後に、ボトルが元に戻るスピードが遅いとストレスを感じてしまう。取材に応じてくれた担当者によると、「どれだけサンプルを作ったか思い出せない」くらいの試行錯誤を重ね、ストレスを感じさせない復元力を実現したという。
こうした苦労を経て2010年に発売された『しぼりたて生しょうゆ』は、鮮度を保つ機能、新鮮な生しょうゆのおいしさ、使いやすさが人気となった。その後の食卓への広まりは読者も知るところだろう。『しぼりたて生しょうゆ』から始まった『いつでも新鮮』シリーズは、いまでは30アイテムを超えるラインアップとなった。
すっかり定番となったキッコーマンの生しょうゆ。今晩使うときには、その開発の歴史に思いを馳せてみてほしい。
※女性セブン2020年11月26日号