コロナ禍の再放送で、高視聴率を記録した『野ブタ。をプロデュース』
恵まれていると思いました。でも山下クンはこれまでにも何度か、“そういう場所”からいなくなってしまいました。まずは、生田斗真クン(36才)、風間俊介クン(37才)、長谷川純クン(35才)と一緒だった「Four Tops」から選ばれ、「NEWS」でデビューするのです。もちろん、超人気メンバーとして、グループにはなくてはならない存在でしたが、そんな「NEWS」から2011年、突然、いなくなってしまいます。
そして今年は、本来、「亀と山P」として新たなプロジェクトがスタートするハズでした。『ジャニーズカウントダウン2019~2020』(フジテレビ系)で、おふたりの口から発表されたこと。修二と彰の『青春アミーゴ』から15年という記念の年の春、アルバム発売と東阪のドーム公演も予定されていました。
しかし、新型コロナウイルス感染拡大により、ほかのアーティストさんたち同様、コンサートツアーは延期や中止に。ツアーというのは「ニューアルバムを引っさげて」が常ですから、「亀と山P」のアルバム『SI』は「発売未定」のままなのです。
ちなみに『SI』とは、『青春アミーゴ』のサビの歌詞。同曲が主題歌となっていた『野ブタ。をプロデュース』(2005年・日本テレビ系)は、コロナ禍、再放送なのに高視聴率を記録し、「さすがは亀梨クンと山P」という声が多数上がっていました。
11月11日付のスポーツ紙の中には「『亀と山P』宙ぶらりん」と書くところもあり、すでに山下クンが海外の映画撮影のためにカナダに行ってしまったといういま、同ユニットの今後は不確かになってしまいました。
山下クンが「退所していた」のを受け、ワイドショーのMCやコメンテーターの皆さんは、「控え目で礼儀正しい人という印象」と話しています。それは私も同意見です。そして、おおむね、応援ムード。「子供の頃からの夢に向かい新たな一歩を踏み出していきたいと思います」と記したインスタへのコメント欄も、応援一色です。
ジャニーさんが生きていらしたら、もちろん背中を押してくださったとも思います。海外進出は、初代アーティスト「ジャニーズ」の時代から、ジャニーさんの悲願ともいうべきものでしたから。
でも、私は正直、“もやもや”も残っているのです。山下クンが自身の夢を叶えるために大きな一歩を踏み出したことで犠牲を強いられてきた人が少なからず、いらっしゃること。「この24年間、応援し続けてくれた」かたたちと共に、忘れないでいただきたいと思いました。
山下智久クンの海外での成功を心より願っています。
構成/山田美保子
『踊る!さんま御!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。コメンテーターとして『ドデスカ!』(メ〜テレ)、『アップ!』(同)、『バイキングMORE』(フジテレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)に出演中。CM各賞の審査員も務める。
※女性セブン2020年12月3日号