ライフ

ポリコレ重視の時代 最後に残ったハゲ・無職中年男いじり

容疑者に対するネットで起こった異様な反応…(写真/共同通信社)

容疑者に対するネットで起こった異様な反応…(写真/共同通信社)

 日々のニュースが報じられたとき、SNSでは様々な反応が起きる。中にはあからさまに差別的な発言もあるが、そういった投稿に対しては厳しい批判が寄せられる事が多い。ところが、ある一部の属性に対する“いじり”は、非難されるどころか盛り上がる傾向があるという。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、ポリティカル・コレクトネスが重視される現在のネット空間において、それでも盛り上がる一部の“属性いじり”について考察する。

 * * *
 東京都渋谷区の路上でホームレス女性(64)の頭を殴って死亡させたとして、近くに住む職業不詳の吉田和人容疑者(46)が逮捕された。吉田は近所でも有名なクレーマーで、景観が変わるのはイヤ、と近隣住民のテレビのアンテナにクレームをつけたりしていた。殺害した女性について、「痛い思いをさせればいなくなると思った」と供述しているという。

 今回の件でネットは相当ざわめいた。もちろん、ペットボトルと石の入った袋で頭を殴るという短絡的かつ残酷な犯行は非難されたが、それ以上に話題となったのが「母親に連れられて警察に出頭した46歳の男」という部分だ。

 これには「無職ニートコドおじの分際で」などと書かれた。「コドおじ」とは、「こども部屋おじさん」の略で、親の家に同居する中高年男性を意味する。吉田が同居していたかは不明だが、ネット上ではそういうことになっている。

 とにかく「46歳の男が」「どうでもいい理由で他人の命を奪い」「ママに警察まで連れてきてもらう」という部分がポイントとなったのだ。

 次いで盛り上がったのが吉田の容姿である。逮捕後のニュースでは顔が出たが、5ちゃんねるには「【画像】母親に連れられ出頭した渋谷撲殺犯(46)のご尊顔がこちら」というスレッドが立ち上がった。ここで【画像】「ご尊顔」とあるということは、このスレッドを立ち上げた人物には彼の容姿をバカにする意図があったのだろう。

 実際に画像を見ると、そこには警察に囲まれたメガネの男の姿がある。そして薄毛である。となれば、ここからは「ハゲいじり」が開始する。「こんなハゲが、母親と一緒に出頭だよ。想像しただけで……」や「ハゲ散らかしてるなぁ。ハゲは気性もハゲしいのか」などと、吉田の容姿がこれでもか、とばかりにいじられた。

関連記事

トピックス

小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン