スポーツ

全日本選手権出場の羽生結弦 「自分の力で五輪に」の誇り

(写真/アフロ)

公式ではないが、5回転ジャンプを成功させたという情報も(写真/アフロ)

 興奮を抑えるように、あるスケート連盟幹部はこう話す。「羽生選手らしい選択だと思います。こうなると、1年後に迫った北京五輪も充分にあり得ます。ぜひ狙ってほしい」──。

 羽生結弦選手(25才)が12月末に開催される『全日本フィギュアスケート選手権大会』へエントリーしたことを受けてである。

「出場すれば10か月ぶりの表舞台ですから、演技が楽しみだというのはもちろんある。ただね、それよりも羽生選手が全日本にエントリーしたということは、来年3月にスウェーデンで行われる予定の世界フィギュアへの出場をにらんでのことです。今度の世界フィギュアは各国のオリンピック出場枠数を決める重要な大会。つまり、羽生選手は北京五輪への意欲が出てきたということですよ。だからこそ全日本にエントリーしたとみられるんです」(前出・スケート連盟幹部)

 2014年のソチ、2018年の平昌五輪と2大会連続金メダルに輝いた羽生選手だが、2022年の北京五輪については進退を含め慎重に言及を避けてきた。フィギュア関係者が語る。

「羽生選手が3度目の金メダルを目指すとなればフィギュア界が盛り上がらないわけはありません。しかし、彼のすごいところは五輪を目指すことはもちろん、『全日本』にエントリーしたところです。このコロナ禍です。喘息もちで『試合に出るのも怖い』と答えていました。それでも今回エントリーしたのは“ズル”を回避したいという気持ちからだと思います」

 少々説明が必要だろう。北京五輪への出場枠数(最大3)は3月の世界フィギュアの成績で決定する。その世界フィギュアへの出場権は『全日本』の成績を加味し、日本スケート連盟の選考で決定する。

「世界ランキングトップの羽生選手は、本人が出場意思を示せば大会に出ずとも連盟の選考で世界フィギュア、さらには五輪も代表入りは確実でしょう。でも、羽生選手は、ほかの仲間が勝ち獲った枠に、『横入りしたくない』という気持ちがある。

 けがや体調などで出場できない場合は仕方ないが、出場するなら『自分で枠を獲得したい』『誰にも何も文句がない形で出場したい』と考えるタイプ。彼はフェアなんです。この状況で出場するというのは羽生選手からすれば命懸けの選択。絶対王者といわれるわけです」(前出・フィギュア関係者)

 ライバル選手たちが徐々に海外の練習拠点へ戻る中、羽生選手はいまも日本で練習を続けている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

上原多香子の近影が友人らのSNSで投稿されていた(写真は本人のSNSより)
《茶髪で缶ビールを片手に》42歳となった上原多香子、沖縄移住から3年“活動休止状態”の現在「事務所のHPから個人のプロフィールは消えて…」
NEWSポストセブン
ラオス語を学習される愛子さま(2025年11月10日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまご愛用の「レトロ可愛い」文房具が爆売れ》お誕生日で“やわらかピンク”ペンをお持ちに…「売り切れで買えない!」にメーカーが回答「出荷数は通常月の約10倍」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《10代少女らが被害に遭った“悪魔の館”写真公開》トランプ政権を悩ませる「エプスタイン事件」という亡霊と“黒い手帳”
NEWSポストセブン
「性的欲求を抑えられなかった」などと供述している団体職員・林信彦容疑者(53)
《保育園で女児に性的暴行疑い》〈(園児から)電話番号付きのチョコレートをもらった〉林信彦容疑者(53)が過去にしていた”ある発言”
NEWSポストセブン
『見えない死神』を上梓した東えりかさん(撮影:野崎慧嗣)
〈あなたの夫は、余命数週間〉原発不明がんで夫を亡くした書評家・東えりかさんが直面した「原因がわからない病」との闘い
NEWSポストセブン
テレ朝本社(共同通信社)
《テレビ朝日本社から転落》規制線とブルーシートで覆われた現場…テレ朝社員は「屋上には天気予報コーナーのスタッフらがいた時間帯だった」
NEWSポストセブン
62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまのラオスご訪問に「感謝いたします」》皇后雅子さま、62歳に ”お気に入りカラー”ライトブルーのセットアップで天皇陛下とリンクコーデ
NEWSポストセブン
竹内結子さんと中村獅童
《竹内結子さんとの愛息が20歳に…》再婚の中村獅童が家族揃ってテレビに出演、明かしていた揺れる胸中 “子どもたちにゆくゆくは説明したい”との思い
NEWSポストセブン
日本初の女性総理である高市早苗首相(AFP=時事)
《初出馬では“ミニスカ禁止”》高市早苗首相、「女を武器にしている」「体を売っても選挙に出たいか」批判を受けてもこだわった“自分流の華やかファッション”
NEWSポストセブン
「一般企業のスカウトマン」もトライアウトを受ける選手たちに熱視線
《ソニー生命、プルデンシャル生命も》プロ野球トライアウト会場に駆けつけた「一般企業のスカウトマン」 “戦力外選手”に声をかける理由
週刊ポスト
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン