国内

黒鉄ヒロシ氏 Go Toを強行する菅首相に「意固地すぎる」

(写真/時事通信社)

Go Toトラベルの強行に憤る人は多い(写真/時事通信社)

 政府のコロナ対応が迷走している。12月2日、国と東京都は「Go To トラベル」の東京発着の旅行について、65才以上の高齢者と基礎疾患のある人に自粛することを正式に求めたが、それ以外についてはGo Toトラベルは継続中だ。

 新型コロナには、すべての年代が一致団結して取り組むべきだが、「65才以上は閉じこめろ」「若者は旅行しろ」という矛盾したやり方では誰もが疑心暗鬼になり、「世代間闘争」が生じる。

 すでに第1波の際、早朝から店頭に並んで、マスクや生活用品を買い占める高齢者の姿に、現役世代の若者は大きな不満を抱いた。一方、高齢者は、再三の警告を無視して、夜の街に繰り出す若い世代に大きな不快感を抱いた。

 あれから半年以上経ったが、政府の無策によって、再び対立が高まろうとしている。そうした分断は、結果的に、国民一丸で取り組むべき感染症対策の効果を低くして、犠牲者を増やすことだろう。漫画家の黒鉄ヒロシさん(75才)は、政府への憤りを隠さない。

「わざわざ『自粛しろ』と言われなくても、この状況で旅に出る高齢者なんてごく一部です。しかも若者の移動が感染を拡大させているのはデータ上も明白なのに、いまだにGo Toを強行するのはおかしい。いまや『二兎を追う者は一兎をも得ず』は明白で、キャンペーンを終わらせない菅さんは意固地すぎる。命より経済を優先する政府の対応は間違っています」

 歴代のリーダーの無策を批判するのはジャーナリストの田原総一朗さん(86才)だ。

「現在は新型コロナ対人類の戦争ですが、これまで日本は『戦争をしないから有事は起こらない』と信じ込み、有事の対策を怠ってきました。Go Toで高齢者に“自粛”を求める根拠も極めて曖昧で、他国は緊急事態で命令に違反したら罰則や逮捕があるのに、日本にはそれがない。歴代の総理が曖昧な国づくりを進めてきたので、日本は有事に有効な対策を打てません。そのためGo Toも、どっちつかずの線引きにとどまり、かえって被害を広げるのです」

 政府が責任感を欠き、場当たり的な対応を繰り返し、社会の分断が進んでいく。医療ジャーナリストの石塚集さん(42才)は高齢者の不満を理解しつつ、「若者のがまん」にも目を向けてほしいと語る。

関連キーワード

関連記事

トピックス

高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン