ポテチを持つ大河女優
映画ライターの磯部正和氏も、川口の帰蝶役を高く評価するひとりだ。
「川口さんと言えば、新人女優の登竜門として知られる『リハウスガール』の第13代目を務めるなど、瑞々しく透明感のある魅力が持ち味で、ドラマや映画でも“可愛らしい”役柄を多く演じてきました。自分が取材などで見てきた限り、川口さんはしっかりと自分というものをお持ちになっている印象があります。年齢を重ねるごとに、可愛らしいルックスにプラスして、もともと持つ芯の強さが凛とした佇まいとして表現されるようになってきた気がします。
それが最もよくにじみ出ているのが、放送中の大河ドラマ『麒麟がくる』の帰蝶役ではないでしょうか。劇中の帰蝶は、染谷将太さん演じる若き信長の側に、ときに優しく、ときに厳しく、そしてしたたかに寄り添います。
この作品は、もともと帰蝶役だった沢尻エリカさんが急きょ降板したことによって回ってきた役です。時代劇の経験もなく、所作訓練などの準備期間がないなか、一筋縄ではいかない帰蝶の感情までしっかり表現できるのか不安視する声もありましたが、放送が始まると、川口さん演じる帰蝶の立体的な役作りに多くの称賛が寄せられました。
芝居に力強さが加わったことで、川口さんが本来持つ可愛らしさの表現も広がり、今後さらに幅広い役柄が舞い込んでくるような気がします」(磯部氏)
代役をハマり役へと変えてみせた川口。苦難の時代を乗り越えて、今が本格ブレイクの時だ。
◆取材・文/原田イチボ(HEW)
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