●松坂慶子『さくら伝説』(撮影/毛利充裕、フォーブリック、2002年)
ヘアヌード写真集を出した著名な女優としては最高齢に近い。50歳のときの作品である。なかにし礼の小説を原作とするこの写真集のために松坂は3か月かけて7kg減量。「美しい白蛇のような肌がいっそう魅惑的に」(映画評論家・秋本鉄次氏)。
映画のような大掛かりなセットを用意し、前張りなしで演技する松坂を撮影したという。胸をむき出しにして縛られ、目隠しされ、全裸で自らの指を使って秘所を慰める。「彼女がこれまで脱いできた映画の場面が次々と蘇りました」(同前)と、映画関係者をも魅了した。
●石田えり『罪 -immorale-』(撮影/ヘルムート・ニュートン、講談社、1993年)
巨匠ヘルムート・ニュートン撮影であることやSMの世界を表現した写真が話題になった。21歳になる直前に公開された映画『遠雷』で日本人離れしたプロポーションを披露していたが、32歳のこの写真集ではヘアを露出させながら鞭を振るう姿、男性を組み敷く姿などを撮影。
石田は当時の本誌・週刊ポストの取材に「最後はうまく飼い慣らされた感じ」と語った。石田は19歳のとき篠山紀信氏の「激写」に登場し、56歳を迎えた2017年にもヘアヌード写真集『56』を出している。
※週刊ポスト2021年1月1・8日号