ビジネス

ノンアル飲料拡大の兆し 新生活様式に”ゲコノミスト”台頭

近年は健康志向にマッチした機能性のノンアル飲料も続々登場

近年は健康志向にマッチした機能性のノンアル飲料も続々登場

 在宅勤務の増加や年末年始のステイホーム生活などで、“家飲み需要”が高まっている。ついつい飲酒量が増えてしまいがちだが、2021年はその反動でノンアルコール飲料の市場が急拡大する可能性があるという。経済ジャーナリストの河野圭祐氏が予測する。

 * * *
 毎年、年明け早々にビールメーカー4社は事業方針説明会を開いているが、2021年は各社とも例年以上に“ノンアルコール市場”への取り組み説明に割く時間が増えるかもしれない。

 ノンアル市場は、ざっくり言えば年間販売が2300万ケース弱(1ケースは大瓶換算20本)で、うちノンアルビールテイスト飲料が約2000万ケース、残りがノンアルのチューハイ、カクテル、ワイン、日本酒となる。市場規模はまだまだ小さいものの、2009年と比較すれば4倍のマーケットで、ここ数年もジワジワと増えてきていた。それがコロナ禍を機に、増え方の角度が上がっていきそうなのだ。

 2020年10月に発表された「サントリーノンアルコール飲料レポート」によると、コロナ禍で在宅比率が高まったことや、連動して運動不足による体重増の人が増えたことも相まって、健康・免疫への意識が高まり、20代~30代を中心にノンアル商品を飲む機会が増えているという。

 飲用機会が増えた理由は、「美味しくなったから」が最も多く、次いで「在宅比率の上昇」「健康意識」「リフレッシュ」「休肝日」の順だそうだ。加えて、ノンアル商品は軽減税率の対象だったことや、2020年10月の酒税改正にも無関係だったことから、今後も価格優位性があり、消費者も気軽に手を伸ばしやすい。

内臓脂肪を減らす、尿酸値を下げるノンアル飲料も

 振り返ると、アルコールゼロのビールテイスト飲料は、2009年発売の「キリンフリー」が始まりだ。当時、キリンビールに在籍して同商品を世に送り出した佐藤章氏(現・湖池屋社長)は、こう語っていた。

「きっかけは、2006年に福岡で幼い子供たちが犠牲になる痛ましい飲酒運転事故が起きたこと。それを機にノンアルビールの開発が始まりました。結果としてセールスにも繋がりましたが、企業は売り上げや利益だけでなく、社会貢献も重要になってくると気付かされたのです」

 翌2010年にはサントリーから「オールフリー」、2012年にはアサヒビールから「ドライゼロ」が発売され、ノンアル市場は徐々に拡大していく。

 現在、ノンアルビールテイスト飲料のシェアは、アサヒ、サントリー、キリンの順だが、ここ1年余りで機能性を打ち出す商品も続々と登場している。サントリーの「からだを想うオールフリー」やキリンの「からだFREE」は内臓脂肪を減らす点をアピールし、サッポロビールも尿酸値を下げる効果があるという「うまみ搾り」を発売している。

関連記事

トピックス

寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《ベビー服は男の子のものでは?》眞子さん、夫・小室圭さんと貫く“極秘育児”  母・佳代さんの「ラブコール」も届かず…帰国が実現しない可能性も
NEWSポストセブン
選手着用のレオタードやジャージから「スポンサーロゴ」が…(協会のSNSより)
新体操日本代表・フェアリージャパン「パワハラ問題」でレオタードから消えた「スポンサーロゴ」 スポーツ庁が求めた第三者調査を“秘密裏に実施”との関係者証言も
週刊ポスト
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“半日で1000人以上と関係を持った”美女インフルエンサー(26)がイギリスの公共放送で番組出演「口をすぼめて、吸う」過激ビジュアル
NEWSポストセブン
本格的に中国進出をめざすならば…(時事通信フォト)
《年内結婚報道》橋本環奈と中川大志の「結婚生活」に立ちはだかる“1万kmの距離” 2人の異なる“海外進出の希望先”
週刊ポスト
麻田雅文氏(左)と小泉悠氏
《『日ソ戦争』麻田雅文氏×小泉悠氏対談》ソ連の講和仲介に期待した日本人の「アメリカよりロシアのほうが話せる」という感覚
週刊ポスト
「池田温泉旅館 たち川」の部屋風呂に「温泉偽装疑惑」。左はHPより(現在は削除済み)、右は従業員提供
「水道水にカップ5杯の重曹を入れてグルグル…」岐阜県・池田温泉「高級旅館」の部屋風呂に“温泉偽装”疑惑 ヌルヌルと評判のお湯の真実は…“夜逃げ”オーナーは直撃に「誰からのリークなの? それ」
NEWSポストセブン
これまでジャズ歌手などとしても活動してきた参政党・さや氏(写真/共同通信社)
参政党・さや氏、歌手時代のトラブル証言 ジャズバーのママが「カチンときて縁を切っちゃいました」、さや氏は「そうした事実はない」…真っ向食い違う言い分
週刊ポスト
もうすぐ双子のママになる。Numero.jpより。
Photos:Mika Ninagawa
中川翔子3年にわたる不妊治療と2度の流産を経験 。 双子の男の子のママになる妊婦姿を披露して話題に
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《女優・趣里の現在》パートナー・三山凌輝のトラブルで「活動セーブ」も…突破口となる“初の父娘共演”映画は来年公開へ
NEWSポストセブン
岐阜の「池田温泉旅館 たち川」が突然の閉鎖、事業者が夜逃げした(左は旅館のInstagramより)
【スクープ】岐阜県の名所・池田温泉の人気旅館が突然の閉鎖 町が運営委託した事業者が“夜逃げ”していた! 町長からは228万円の督促状、従業員が告発する「オーナーの計画」 給料も未払いに
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《元人気芸妓とゴールイン》中村七之助、“結婚しない”宣言のルーツに「ケンカで肋骨にヒビ」「1日に何度もキス」全力で愛し合う両親の姿
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【スクープ】大谷翔平「25億円ハワイ別荘」HPから本人が消えた! 今年夏完成予定の工期は大幅な遅れ…今年1月には「真美子さん写真流出騒動」も
NEWSポストセブン