国際情報

慰安婦トンデモ判決で改めて浮き彫りになった韓国政府の大嘘

韓国政府は日本から受け取った賠償金を元慰安婦にも元徴用工にも渡さなかった(EPA=時事)

韓国政府は日本から受け取った賠償金を元慰安婦にも元徴用工にも渡さなかった(EPA=時事)

 またも韓国で奇妙な判決が出た。1月8日、ソウル中央地裁は、元慰安婦と遺族ら12人が日本政府に損害賠償を求めた訴訟の一審判決で、原告の請求通り一人あたり1億ウォン(約950万円)を支払うよう日本政府に命じた。徴用工訴訟でも焦点となっている「そもそも請求権があるのか」という問題は後述するが、それ以前に、国際法では「国家」は他国の裁判権に従うことはないという「主権免除」の原則があり、それすら無視する滅茶苦茶な判決である。

 これが許されるなら、例えばトランプ大統領が中国を批判し続けていることに対し、中国人が「差別であり名誉棄損だ」と北京の裁判所に訴えて、アメリカ政府に対して「中国人一人あたり100ドル払え」という判決も出かねない。そういう泥仕合を避けるために定められた国際法をも顧みない今回の判決は“韓国司法の自殺”とも言える。

 慰安婦問題では、朝日新聞などの日本のリベラル・メディアや、“人権派”を自称する国内の弁護士や団体が「旧日本軍の非人道的行為」だと宣伝し続けてきたために、日本人のなかにも誤解が多い。韓国では、教科書で「10万~20万人」の慰安婦が「強制連行」されて「性奴隷」にされた、といった根拠のない記述をして国民を扇動しているが、それに便乗する日本国内の勢力によって、日本人までもが誤った歴史認識をしていることは問題だ。請求権の問題に触れる前に、改めて慰安婦問題とは何だったのか、おさらいしてみる。

◆慰安婦は何人いたのか? 外国人の割合は?
 韓国や中国では、何十万人もの現地女性が日本軍の性奴隷になったかのように学校でも教えているが、それは嘘である。旧日本軍では、兵士100人に1人の慰安婦を手当てすることを目標にしていたが、常に不足して募集をかけていた。日本軍の兵力は最大で800万人ほどであり、計画通りであっても慰安婦は8万人、日本大学・秦郁彦教授の論文によれば、実際には2万人程度だったとされる。そのうち国内で採用された日本人が約4割、海外での応募者が約3割、朝鮮人が約2割、中国人が約1割だった。いずれもほとんどが職業的な売春婦である(当時の日本には公娼制度があり、売春婦は合法の職業だった)。

◆強制連行はあったのか?
 この説の元となった朝日新聞での自称元軍人の、いわゆる「朝鮮人狩り証言」は虚構であったことが本人の告白と日韓の研究者の現地調査で明らかになっている。慰安婦支援団体などは、のちに「本人の意思に反した就業があったのだから、“広義の強制性”があった」などと主張を変えた。そうした事例でも、朝鮮人慰安婦を集めていたのは主に現地の女衒たちだった。彼らは貧しい農村などで親にカネを渡して婦女子を集めるなど、人道に反するケースが当時の報道でも問題視されていたが、日本軍が強制連行したという証拠は見つかっていない。むしろ日本軍は、そうした不適切な慰安婦集めを取り締まるよう通達も出していた。

◆慰安婦証言の真実
 2020年に公金流用などのスキャンダルにまみれた「韓国挺身隊問題対策協議会」が、登録する慰安婦40人に対して聞き取り調査をしたことがある。結果は、21名が自ら進んで慰安婦になっており、19名は意思に反して就業したと証言したが、そのうち15名は家が貧しくて親に売られたと話し、残り4人のうち2人は富山と釜山に強制連行されたと主張したが、どちらも戦地ではなかったので日本軍の慰安所はなかった。残り2人が日本でも何度も紹介された証言者だが、どちらの証言も二転三転しており、かつてはそれぞれ「養父に慰安所に連れて行かれた」「朝鮮人が私を送り出した」と話していたこともある。つまり、日本軍に強制連行されたとする信頼に足る証言はないのである。

関連記事

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏に「自民入りもあり得るか」聞いた
【国民民主・公認取り消しの余波】無所属・山尾志桜里氏 自民党の“後追い公認”めぐる記者の直撃に「アプローチはない。応援に来てほしいくらい」
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
遠野なぎこさん(享年45)、3度の離婚を経て苦悩していた“パートナー探し”…それでも出会った「“ママ”でいられる存在」
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
NEWSポストセブン