実際、この1月に出版した著書『ダーリンの進化論』(小学館)の中で、ちさ子は「音楽好きで舞台を見に行く夫から頻繁にダメ出しを受けている」と明かしている。その内容は、
《クラシックとはいえ、動きがないと見ていて飽きるよ。歩き方1つからよく考えて、人の目を引くようなことをしたほうがいい》
《自分たちはいいと思ってやっているんだろうけれど、それほど客席は感動していなかったよ》
と、かなりの直球かつ辛口だ。しかし、ちさ子はこれらの言葉を真摯に受け止めている。
「厳しい意見をもらえるのはありがたいことです。『よかったよ』と褒められるだけでは進歩しませんから」
自分への厳しさを持つ人だけが、人の力を動かす叱り方ができるのかもしれない。
【プロフィール】
高嶋ちさ子(たかしま・ちさこ)/1968年東京都生まれ。6才でヴァイオリンを始める。桐朋学園大学を経て、1994年イェール大学音楽学部大学院修士課程アーティスト・ディプロマコースを卒業。『めざましクラシックス』『12人のヴァイオリニスト』などのプロデュースを手がける傍ら、テレビやラジオなどでも活躍。
撮影/加藤千絵
※女性セブン2021年1月21日号