国際情報

池上彰氏、バイデン政権の不安「日本もアメリカも民主党は内紛する」

池上彰氏はバイデン政権のどこを懸念?

池上彰氏はバイデン政権のどこを懸念?

 トランプ氏と支持者らによる強烈な抵抗が続く中、いよいよ1月20日にジョー・バイデン大統領が誕生する。長年大統領選を取材してきた池上彰氏と、アメリカでトランプ陣営への潜入取材を続けてきた横田増生氏が緊急対談した。

 * * *
横田:トランプ支持者は「バイデンを大統領として認めない」と口を揃えて言います。7400万人(※トランプ氏は大統領選で現職としては最高となる7400万票を獲得した)全員ではないにせよ、その大半がアンチ・バイデンとみられる。逆風の中の船出となるバイデンは大変ですね。

池上:バイデン氏はアメリカ大統領史上、最弱の大統領としてスタートするとの声があるほどです。これまでのアメリカには選挙で争っても、いざ大統領が決まれば国民一丸となって祝福する伝統がありましたが、今は穏健な共和党支持者がトランプ氏に愛想を尽かして姿を消し、その代わりにこれまで政治と無縁だった人が大挙してトランプ氏を支持するようになり、何があろうとバイデン勝利を認めません。共和党自体がトランプ党になってしまった感があります。

横田:そう思います。今後もトランプ支持者がアメリカ社会の不安要素であることは間違いありません。何せ彼らは平気でライフル銃を抱えて集会に参加しますからね。

池上:日本人は「アメリカ人は政治意識が高くてみんな選挙に行く」と思い込んでいますが、実際の投票率は6割前後で日本と変わりません。一方で、あらゆることを陰謀で解釈する陰謀論者が表に出て、トランプ氏を支持するようになった。トランプ氏の出現でこれまで見えなかったアメリカが可視化されました。

横田:こうした状況でバイデンはアメリカをどうリードするでしょうか。

池上:なかなか見えてきませんが、一つ言えるのは、多様性を重視する姿勢です。白人中心のトランプ氏とは違い、ラティーノやアジア系、LGBTQなどマイノリティの支持を得て政権を運営しようとしています。

 そこで不安要素となるのがバーニー・サンダースやエリザベス・ウォーレンといった党内左派です。この人たちは、「バイデンの政策は生ぬるい」として、徹底した累進課税や国民皆保険の実現を訴えています。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン