国内

緊急事態宣言で小学生の子供の「自主休校」を選択する保護者の言い分

緊急事態宣言が出された場合の対応について、萩生田文部科学大臣は、小中学校や高校に対して一斉休校を要請しないと記者会見で発言した(時事通信フォト)

緊急事態宣言が出された場合の対応について、萩生田文部科学大臣は、小中学校や高校に対して一斉休校を要請しないと記者会見で発言した(時事通信フォト)

 2021年1月、再び緊急事態宣言が発令されたが、2020年4月のときと異なり、小中学校、高校などへの一斉休校は要請されなかったことで、子育て家庭の一部で混乱が起きている。正しく怖れることが大事だと言われている新型コロナウイルスだが、変異種の登場などによって、何をどうすれば正しいのか、多くの人が不安を抱えている。ライターの森鷹久氏が、子供に自主休校をさせたり、部活動への取り組みについて態度を決めかねている保護者の胸の内を聞いた。

 * * *
「感染したら誰が責任を取るのか、ここが曖昧なまま、子供を学校に行かせることはできません」

 こう話すのは、千葉県内の公立小学校に通う娘を持つ時任優子さん(仮名・40代)。新型コロナウイルスの再拡大により、千葉県を含む1都3県に緊急事態宣言が発令されたが、街には通常時と同じように人出があり、何よりも子供達が普通に学校に通わなければならない状態であることに、憤りを感じている。

「子供や赤ちゃんの感染者も出ています。若い方は感染しても軽症ですむ、命に関わる事も稀、と学校は説明していますが、万一のことがあったら? 夫の高齢の両親と同居しているため、子供の感染をきっかけに自宅内でクラスターが発生する危険性だってある」(時任さん)

 前回の緊急事態宣言では、小学校から大学まで、ほとんどの学校が休校措置をとった。あの時と比較し、感染者数が何倍にも膨れ上がっているにも関わらず、休校措置が取られないのはおかしいのではないかと疑問を抱き、不安になる保護者が出現しても無理はない。実際、時任さんは学校や自治体、教育委員会にも問い合わせを入れているが、満足いく回答は得られていないという。

「高齢の両親はすでに散歩すら行けておらず、夫も私も、仕事は基本的にテレワーク。子供の学校が休みだと、普通に通勤している親御さん達が困る、という場合があるのもわかりますが、それとこれとは話が別。学校側も対応に苦慮しているはずですし、勝手に判断は下せない。それなら親がやる、そう決めたんです」(時任さん)

 学校はすでに始まっているが、時任さんはまず2週間様子見をして、その後については再度夫と協議するという。

「娘が、窓の外に通学している小学生を見つけてはため息をついています。私だって学校に行かせたいと思っているから辛い」(時任さん)

関連キーワード

関連記事

トピックス

ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
麻辣湯を中心とした中国発の飲食チェーン『楊國福』で撮影された動画が物議を醸している(HP/Instagramより)
〈まさかスープに入れてないよね、、、〉人気の麻辣湯店『楊國福』で「厨房の床で牛骨叩き割り」動画が拡散、店舗オーナーが語った実情「当日、料理長がいなくて」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
50歳で「アンパンマン」を描き始めたやなせたかし氏(時事通信フォト)
《巨大なアンパンマン経済圏》累計市場規模は約6.6兆円…! スパイダーマンやバットマンより稼ぎ出す背景に「ミュージアム」の存在
NEWSポストセブン
保護者を裏切った森山勇二容疑者
盗撮逮捕教師“リーダー格”森山勇二容疑者在籍の小学校は名古屋市内で有数の「性教育推進校」だった 外部の団体に委託して『思春期セミナー』を開催
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
新宿・歌舞伎町で若者が集う「トー横」
虐待死の事例に「自死」追加で見えてきた“こどもの苛烈な環境” トー横の少女が経験した「父親からの虐待」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
NEWSポストセブン