血圧130超でも降圧剤は飲まない
玉那覇氏自身、長年悩まされてきた慢性頭痛が、薬をやめたことで快方に向かったという。
「若い頃から慢性頭痛に悩まされ、頭痛薬を服用していましたが、月に2~3回のペースで頭がズキンズキン痛み、ひどいときはご飯を食べられないほどでした。それが、頭痛薬を飲むのをやめたら、いつの間にか頭痛に悩まされなくなった。この経験をしたことも“薬を飲まない”という信条を持つにいたる大きな理由になりました」
玉那覇氏の最高血圧は130mmHg台半ば、最低血圧は80mmHg台半ばで基準値以下、血糖値やコレステロール値も基準値内だという。
「90代でこの血圧は問題ないでしょう。正しい健康法さえ身につければ、薬に頼らなくても数値が上がりすぎることはない。それに、年齢を重ねたら値はある程度は高くても構わないのです。むしろ降圧剤などを使って無理に下げようとすると、血管に弾力がなくなっている高齢者の場合、血流が悪くなる恐れもあります。
私はおかげさまで入院や何かの手術をしたこともなく、新聞もメガネなしで読む。2019年6月に免許を自主返納するまで、普通に車の運転もしていました」
薬と過食をセットでやめる
健康を維持し病気を予防するため、玉那覇氏が薬を飲まない代わりに実践しているのが、「小食主義」だ。
「もう半世紀ほど、朝食抜きの1日2食を実践しています。夕食は6~7時頃に終えるので、毎日『半日断食』を実践していることになります。
朝食は食べず、昼は正午頃に青汁や野菜ジュースと納豆のみで、夜は玄米ご飯か玄米粥と魚か肉のおかずに、野菜ジュースを飲むのが定番メニューです。肉を食べるのは沖縄の郷土料理のゴーヤチャンプルーや豚足くらい。1人分の自炊なので、手間はかけずに食べられるサバやイワシなどの缶詰をよく食べます。缶詰は調理が不要で長く保存できるので重宝しています」
さらに玉那覇氏は、高血圧、糖尿病、脂質異常症など現代の生活習慣病も、「食べ過ぎ」が要因として挙げられるという。
「食べ過ぎ=栄養過剰で生活習慣病になっている人が多いのに、1日に一定以上の栄養摂取を勧めていてはなかなか治りません。常識的に考えても、今までと反対に食事の量を半減するか絶食(断食)すれば病気は早く治るはずです。みな『食べないと体が衰弱して病気に負ける』と誤解しており、栄養をたっぷり摂ることで疲れている内臓をますます疲弊させ、病気を悪化させているのです。
食べ過ぎさえやめれば、薬に頼らずとも健康でいられる。今は反対に薬で数値を下げられるからと過食してしまっている人が多い。薬をやめることと過食をやめることはセットなんです」