ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長はコロナ禍の経営について指摘(時事通信フォト)

ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長はコロナ禍の経営について指摘(時事通信フォト)

“時差出勤”か“重役出勤”か

 政府や自治体の要請に応じて時差出勤を導入している企業も多いが、それに便乗して“サボる”社員もいる。

「仕事は山積しているのに、連日お昼近くになって出社してくる部下がいるんです。会社が“コロナ対策のための時差出勤を”と呼びかけているのは確かですが、出勤時間は10時半までと決められており、それより遅れてくるのはただの遅刻です。いかにも夜ふかしをして眠そうな顔をしているのを見ると腹が立って仕方ない」(45歳・不動産会社勤務)

 なかには「さすがにそれは違うんじゃない?」とツッコミたくなるケースもある。

「大事な会議でまったく発言しない部下にそれを指摘すると『いまどき対面で会議なんて……。感染リスクを抑えるため、発言を控えていました』と言う。『マスクをして十分な距離を取っているから大丈夫だ。意見を頼む』と改めて促してもやっぱり無言のまま。ただ何も考えていないだけじゃないか」(40代・金融機関勤務)

 ビジネス現場で何でも「コロナのせい」にする人たちとはどう付き合うべきなのか。経営コンサルタントの新井健一氏が言う。

「コロナを大義名分に自分を正当化しようという人は、努力不足にもかかわらず、自分は正当な評価を得られていないと職場に不満を感じているケースが多い。そういう人を正論で追い詰めても事態は好転しないでしょう。まずは“コロナの今だからこそできること、やるべきことは何なのか”とポジティブな方向に目を向けさせることが大事です」

※週刊ポスト2021年2月12日号

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