実は3回目は必ず当選するようになっており、交友関係を使って拡散させているのだ。最後に当選商品を請求するためにある電話番号に国際電話をかけるよう求められるが、電話すると高額な電話料金が請求されてしまうのだ。
このような被害が続いている理由には、コロナ禍で多くのキャンペーンがSNS上で行われるようになっていることが挙げられるだろう。企業がSNS上での販促活動に力を入れた結果、詐欺被害もSNS上に移ってきているのだ。コロナ以前だったら、メッセージについているURLをクリックすることに抵抗がある人は、今より多かったかもしれない。だが、SNS上でのキャンペーンに慣れた結果、危険と感じる風潮は薄れているのではないか。
「当選した」「当たった」などと特別な優位性を強調して近づき、商品を売りつけたりクレジットカードの引き落としが止まらなくなる「当選商法」は昔からあるものだ。これは、その現代版とも言うべきものというわけだ。身近になったSNSの操作は、受け取ったものをじっくり吟味したり確かめるよりも、直感で操作することが多いだろう。もし、その感覚が研ぎ澄まされれば、偽アカウントに対してもすぐに判断できる未来がくるのかもしれない。だが、現実には騙そうとする側のほうが機敏で、なかなか対応できるものではない。対処策としては、ときどき立ち止まって、公式アカウントを丁寧に確認するほかない。