生きている限り役者を続ける
新型コロナが感染拡大した昨年3月、西田は日本俳優連合理事長として俳優の窮状を訴え、首相らに支援を求めた。
「仕事がなくなっても補償がない俳優仲間を見かねた西田さんがメッセージを出しました。世間からは、『なんで役者だけ』『稼いでいる役者が稼いでいない役者を助ければいいじゃないか』と反発の声があがりましたが、西田さんは未来を担う俳優たちのため、批判を受けながらも主張を続けた」(前出・西田の知人)
その西田が『俺の家の話』に打ち込むのには理由がある。それは長瀬の存在だ。
「2人は、2005年の『タイガー&ドラゴン』で落語の師弟関係を演じ、2010年の『うぬぼれ刑事』(ともにTBS系)では親子役を演じました。長瀬さんは人間味あふれる西田さんを尊敬し、『また息子を演じられて本当にうれしい』と11年ぶりの親子共演を心から喜んでいました」(前出・ドラマ関係者)
オファーを二つ返事で受けた西田は、長瀬との共演に並々ならぬ決意で臨んでいる。
「長瀬さんは3月末でジャニーズ事務所を退所して裏方に回ると報じられ、今作が最後の作品、そして西田さんとも最後の共演になるかもしれません。西田さんは2人でもう一花咲かせようと気合を入れて撮影に臨んでいます」(芸能関係者)
西田は、ドラマで脚本を担当する宮藤官九郎(50才)との『CREA』(2021年1月号)での対談でこうも語った。
《宮藤さんのホン(脚本)で長瀬くんと組ませてもらうっていうのが一番、俺にとっては理想に近いかたち》
前出のドラマ関係者が、西田の名演について語る。
「今作の西田さんの役は、年齢を重ねて体が弱ってきた西田さんに対する“あてがき”です。体調不良や入退院を繰り返した西田さんに無理をさせず、ありのままの姿を出せるよう、介護されるリアルな高齢男性の役にした。車いすの役でなければ、ドラマ出演も難しくなってきているんです。西田さんが裸になるシーンは、ごまかさない素の姿を見せるための演出だそうで、西田さんはそれに応えました」