ところが、肝心の日本政府の動きは非常に鈍い。加藤勝信・官房長官は領海侵入に、「遺憾である」と繰り返すだけで、茂木敏充外相は海警法について、「国際法に反する形で適用されることがあってはならない」と中国に“お願い”する始末だ。
その間に中国は尖閣周辺に海警局の船舶を常駐させ、日本漁船を排除する姿勢を見せ、いまや尖閣諸島を実効支配しているのは日本か、中国なのかわからない状態だ。
「次は島に上陸し、占拠しようとすると考えるべきです。香港でも、国際社会は中国が強行手段を取るとは思わなかったが、躊躇なく実力行使に出た。尖閣も同じ目に遭う。しかも、いったん上陸されると海上保安庁では対処できない。日本は今のうちに環境調査とか、慰霊のための上陸とか、島の実効支配体制を世界に知らしめる運動・行動をすべきです」(山田氏)
※週刊ポスト2021年3月12日号