●3位『木更津キャッツアイ』(TBS系 2002年)21点
【あらすじ】
舞台は千葉県木更津。ガンの余命宣告をされたぶっさん(岡田准一)は、高校時代の野球部仲間と昼は草野球やバンド、夜は怪盗団“木更津キャッツアイ”として悪巧みをしながら最期のときを迎えていた──野球にちなんで表と裏に分けられていて、いたるところに張られた伏線を巻き戻しながら回収していくドタバタ劇。ドラマ人気を受けて、劇場版が2作公開された。
「とにかくビールが飲みたくて、女の子の前でかっこつけたくて、都会に行きたいけど行けなくて、田舎できゃっきっとじゃれ合う日常。クドカンの描く甘酸っぱい男の青春物語。古田新太演じるホームレスが亡くなった後、復讐で取ったお金で彼の銅像をまつるシーンは、セリフが少なくとも彼への愛が伝わる」(今井)
「ポップなストーリー展開の中で『死』を繊細に描くのはさすが。人気キャラのオジー(古田新太)がふいに亡くなったとき、ぶっさんが死を身近に感じ塞ぎ込んでしまう回では亡くなったオジーへのブッさんたちの愛情を感じてジーンとなる」(木俣)
「このドラマに流れる空気はバカで明るくてパワフル。やっさいもっさいを踊るバンビ(櫻井翔)にモー子(酒井若菜)が『超カッコイイ』と声をかけるシーンが好き」(まつもと)
●4位『タイガー&ドラゴン』(TBS系 2005年)17点
【あらすじ】
一度も笑ったことがない極道の虎児(長瀬智也)は、借金を取り立てに行った落語家・林家どん兵衛(西田敏行)の落語にすっかり感動して弟子入りを志願。面白い話がしたい、誰かを笑わせたいという一心で落語に励む虎児が、昼は噺家、夜はヤクザの生活を送りながら落語家として成長していく──。
「落語の授業を受けて謝礼を払うたび、弟子から取り立て屋に代わる長瀬と、師匠からヤクザが怖いただのオジサンに変わる西田とのやりとりに毎回爆笑。落語のお題と現実の物語がリンクする設計にも唸らされた」(今井)
「長瀬演じる虎児が落語のつかみで言う『タイガータイガーじれっタイガー』がクセになる。『厩火事』の回での、古田新太と清水ミチコ演じる夫婦漫才師の話は、ふたりの見事に息のあった漫才が最高」(木俣)