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2021.03.09 11:00  週刊ポスト

首相盟友「疑惑の文化功労者」原点は菅氏意向の文化庁長官人事だった

宮田亮平文化庁長官は、東京五輪のメダルデザインの会長も務める(時事通信フォト)

宮田亮平文化庁長官は、東京五輪のメダルデザインの会長も務める(時事通信フォト)

 文化功労者は、文科省の設置した文化審議会文化功労者選考分科会のメンバーの推薦があり、そこで審議されて選出される。有識者による第三者機関による選出は文化勲章と同じく、政治色を排除するためだが、必ずしもそうはなっていない。政治の側が推薦人である審議会のメンバーを恣意的に選べば、思い通りの人選が可能なのである。

 おまけに法の改正という国会議員の立法行為が、文化功労者の候補資格を変えた。2017年6月に施行された改正文化芸術振興基本法で、文化功労者の選定方針の〈文化芸術の振興に資する取組〉が加わり、学術や芸術分野で活躍してきた第一人者に限られていた文化功労者の候補が、企業経営者にまで広がった。さらにそこに明記された〈作品の展示〉がクセモノで、まさに滝が熱心に取り組んできた事業でもある。

 もともと父親の始めた旧国鉄の駅ナカ広告事業を受け継いだ滝は、現在も公益財団法人・日本交通文化協会理事長を務める。駅や空港、学校などの公共施設への芸術作品展示を働きかけてきた。改正文化芸術振興基本法に謳う作品の展示、つまりパブリックアートは滝の得意分野である。とどのつまり、法改正そのものが滝のためのようにも受け取れるのだ。

 法改正の結果、文化功労者の選出は、それまでの15人から20人に増えた。増員が企業経営者の枠なのだろう。その選出枠の拡大は、奇しくも滝が東京藝大に寄付した2018年以降からで、寄付を受けた藝大学長の澤和樹が分科会委員となり、滝の推薦人となったとされる。

 だが、滝の文化功労者実現に関わったのは藝大の澤だけではない。むしろキーマンは、澤の前の学長であり、目下、文化庁長官を務める宮田亮平である。

 そしてそこに第二次安倍内閣の官房長官であった菅が、ひと役買った。菅、滝、宮田それぞれが極めて濃密な人間関係を築き、その先に、今度の文化功労者選出人事があると見ていい。

「お引き受けします」

 東京藝大学長の澤と、前学長で文化庁長官の宮田について、政府の関係者は言った。

「滝さんとのつながりでいえば、前学長の宮田さんのほうが古く、ずっと濃いでしょう。もともと宮田さんが滝さんと親しく、熱海のギャラリーにしょっちゅう出かけ、自らの作品も展示しています。宮田さんの意向を後任である澤さんが引き継ぎ、今度の選出になったのだと思います」

 宮田はイルカをモチーフにした金工作家として知られる。2005年12月、東京藝大の副学長・理事から学長に昇進した。

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