滝氏(下段左から2番目)が司会の座談会に、宮田氏(右端)、菅氏(下段右から2番目)が出席(「くれあーれにゅーす」2014年8月20日発行)

滝氏(下段左から2番目)が司会の座談会に、宮田氏(右端)、菅氏(下段右から2番目)が出席(「くれあーれにゅーす」2014年8月20日発行)

 文化勲章や文化功労者の決定に文化庁が関わるのは自明だが、滝や菅は宮田と極めて個人的な関係があるようだ。先の元文科事務次官の前川は図らずも、その交わりにも出くわしている。

「私が文部科学審議官だった当時の文化庁長官人事でした。2015年から2016年の年明けにかけ、美術史学者の青柳正規さんが3月いっぱいで長官を退くので、後任を決めなければなりませんでした。で、私の案は文化行政を長くやってこられた河村潤子生涯学習政策局長(現・日本芸術文化振興会理事長)。内部の女性登用案で、馳大臣も了解し、杉田(和博)官房副長官も、『女性、いいじゃないか』と喜んでいたんです」

 ところが、そこに待ったがかかった。菅による官邸得意の差し戻し人事だ。前川がこうも話した。

「菅官房長官に私の案があがり、しばらくすると、別の人間を考えろ、となった。その菅さんの意中の人が宮田さんだったわけです。菅さんはしょっちゅう宮田さんと食事をするような間柄だと聞いていましたから、さもありなんでした」

 ただし、東京藝大はこのとき学長選挙を終えたばかりで、宮田が圧勝していた。2016年4月以降の学長続投が決まっていた。

「学長選挙が終わったばかりだから無理だと思っていましたが、仮にも菅人事だから、長官の打診はしました。宮田さんは断わるだろうと思っていたんです。しかし、『お引き受けします』と了承するではないですか」(同前)

 菅との間で話がついていたのかもしれない。だが、そうなると、今度は東京藝大の次期学長が問題だ。藝大では伝統的に美術学部と音楽学部との学長争いがあるが、後継学長選びは宮田がした、と前川が続ける。

「学長予定者が突然いなくなるから、学内は大変だったでしょう。そこで宮田さんは、学長選で次点だった音楽学部の澤さんを後継指名したのです。音楽学部は歓迎でしょうが、(宮田の出身である)美術学部からは反対が出そうなもの。そこは政治力のある宮田さん、再選挙をやらずに簡単に澤さんに決まりました」

選出に至るトライアングル

 後継指名された澤は、学長の椅子が転がり込んできたことになる。そこから文化庁長官という行政のトップに就いた宮田と新学長の澤ラインができあがったという。では、宮田と菅、ぐるなびの滝のトライアングルはどうやってできあがったのか。

「滝が菅と宮田の接着役を果たしていると思います。もともと滝はパブリックアートで宮田と関係を深め、政界で力をつけてきた菅官房長官を宮田に紹介したのでしょう」

 そう推測するのは、あるぐるなび関係者だ。実際、菅、滝、宮田はこの10年来、かなり濃密な付き合いをしている。3人の関係を時系列に追っていくと、よくわかる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
高市早苗総理の”台湾有事発言”をめぐり、日中関係が冷え込んでいる(時事通信フォト)
【中国人観光客減少への本音】「高市さんはもう少し言い方を考えて」vs.「正直このまま来なくていい」消えた訪日客に浅草の人々が賛否、着物レンタル業者は“売上2〜3割減”見込みも
NEWSポストセブン
全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン