■首都圏警戒ゾーン
異常変動が東京の伊豆諸島や静岡の伊豆半島に集中している。
「隆起・沈降では、千葉県の基準点『千葉花見川』が隆起する一方、30kmしか離れていない同県の『富里』は沈降。高低差は広がり続けており、危険水域である6cmを超え、2月中旬には8.8cmとなった。
関東大震災などの例から見ても、もし大地震が起きたら地盤が緩い都心でも被害が出ることが予想されるので要注意です」
■近畿地方警戒ゾーン
この地域は今回、初めて警戒ゾーンとなった。
「今年に入ってから和歌山県北部で震度1以上の地震が30回近く起きている。小地震の頻発後に大きな地震が起きるというケースは少なくありません。隆起・沈降では、本州最南端にある和歌山県の基準点『串本』が沈降し、同県の『龍神』との高低差は、危険水域の6㎝近くにまで拡大しているので、注視しているところです」
村井氏はこの直近3年で新たに地震予測に関する5つの特許を取得し、今もMEGA地震予測を進化させ続けている。
「この10年、研究すればするほど地震というのは本当に難しい研究対象だということを改めて痛感しています。ですが東日本大震災の後悔があるからこそ、いまの私がある。これから一生をかけて地震予測に挑戦していくことが私の使命だと考えています」
今後も本誌・週刊ポストは村井氏の研究を追い、そしてMEGA地震予測をアップデートしていく。
※週刊ポスト2021年3月19・26日号