ビジネス

凶事続きの東北新社 同族経営の終焉で名高きCMディレクターに問われる経営手腕

東京・港区にある東北新社(時事通信フォト)

東京・港区にある東北新社(時事通信フォト)

 東北新社の衛星放送免許が取り消されることになった。同社が運営する衛星放送「BS4K」は2017年1月に認定されたが、この時点における外国資本の議決権比率が放送法で規制する20%以上だったためだ。

『週刊文春』(2月11日号)が報じた、東北新社に勤める菅首相長男の総務省接待は、その後、大臣経験者やNTTを巻き込む大騒動となった。発火点となった東北新社には免許取り消しという、放送事業者にとってはもっとも厳しい処分が下された。

 東北新社としては、総務省に絶大な影響力を持つ菅首相の長男を取り込むことで、放送事業を優位に展開するはずが、むしろ足を引っ張ることになった。

躍進のきっかけとなった「サンダーバード」

 それにしても、東北新社はここ数年、凶事ばかりが続いている。

 東北新社は、秋田県出身の植村伴次郎が1961年に設立した。菅首相の長男が勤めているのも、同じ秋田出身ということで、伴次郎が菅首相を応援していたためだ。

東北新社の創業者、植村伴次郎氏(故人)

東北新社の創業者、植村伴次郎氏(故人)

 もともとは外国映画・ドラマの翻訳・吹き替えなどからスタートしたが、その後、自ら番組を買い付け、テレビ局に配給するようになる。その最大のヒット作がNHKで放送された「サンダーバード」で、東北新社躍進のきっかけとなる。

 さらにはテレビ番組制作、CM制作にも進出、映像に関する総合制作会社としての色彩を強めていくが、中でも東北新社の名を高めたのはCM制作で、後述する日清食品「カップヌードル」を筆頭に、数多くのヒットCMを制作し、国際的な賞を何度も受賞している。

 続いてポストプロダクション(撮影後の編集・加工)を始め、1986年にはスターチャンネルを設立し放送事業に進出。映像に関する川上から川下までワンストップで行うことができるようになった。

 2002年には港区赤坂の赤坂御所の向かいに本社を建設、そして同年ジャスダックに上場と、設立から約40年間、右肩上がりで成長してきた。

関連記事

トピックス

割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(Instagram/時事通信フォト)
《ゴルフ・横田真一プロと2年前に離婚》穴井夕子が明かしていた「夫婦ゲンカ中の夫への不満」と“家庭内別居”
NEWSポストセブン
二刀流かDHか、先発かリリーフか?
【大谷翔平のWBCでの“起用法”どれが正解か?】安全策なら「日本ラウンド出場せず、決勝ラウンドのみDHで出場」、WBCが「オープン戦での調整登板の代わり」になる可能性も
週刊ポスト
高市首相の発言で中国がエスカレート(時事通信フォト)
【中国軍機がレーダー照射も】高市発言で中国がエスカレート アメリカのスタンスは? 「曖昧戦略は終焉」「日米台で連携強化」の指摘も
NEWSポストセブン
テレビ復帰は困難との見方も強い国分太一(時事通信フォト)
元TOKIO・国分太一、地上波復帰は困難でもキャンプ趣味を活かしてYouTubeで復帰するシナリオも 「参戦すればキャンプYouTuberの人気の構図が一変する可能性」
週刊ポスト
世代交代へ(元横綱・大乃国)
《熾烈な相撲協会理事選》元横綱・大乃国の芝田山親方が勇退で八角理事長“一強体制”へ 2年先を見据えた次期理事長をめぐる争いも激化へ
週刊ポスト
2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン