国際情報

国費まで投じられた韓国「慰安婦ゲーム」のひどいクオリティ

ゲームの内容は全く史実に基づかない

ゲームの内容は全く史実に基づかない

 韓国の文在寅・大統領は最近、対日融和姿勢を演出しようと必死だ。「日本とはいつでも対話する準備ができている」(3.1独立運動記念式典での発言)などと日本側に秋波を送っているが、暗礁に乗り上げている徴用工訴訟や慰安婦訴訟の解決策は示しておらず、地元メディアでも「言葉だけの空論」と論評されている。

 韓国では伝統的に、保守政権は親日的で、文氏のような革新政権は反日を支持獲得に利用してきた歴史がある。文政権になってからの4年近くの間に、韓国の反日運動は激化の一途をたどってきたから、今さら融和を打ち出しても、それが言葉だけなら両国関係は変わらないだろう。行き過ぎた反日によって保守派の反発が高まっていること、経済やコロナ対策の失策で自身の支持がじり貧になっていることから、目先を変えようとしているだけという冷めた見方が大勢を占めているのもうなずける。

 日本でも韓国でも、若い世代は相手の国への悪感情はそれほどない。互いの国を自由に旅行したり、留学や就業で行き来が盛んになっていることもあるが、文化的な交流が親近感を強めていることも大きいだろう。日本では1990年頃から韓流ドラマやK-POPが流行し、韓国の大衆文化に触れる機会が増えた。韓国では、ちょうどその頃までは国内で日本文化を禁止してきたが、段階的に規制が緩和されて、今では日本のマンガや映画、音楽を楽しむ若者が数多くいる。

水曜集会の様子(共同)

水曜集会の様子(共同)

 しかし、そうした若者の親日機運に水を差すのが文政権を支持する左派団体の反日運動だ。直近では、韓国でも大ヒットしているアニメ『鬼滅の刃』の主人公、竈門炭治郎の耳飾りが「旧日本軍が使用した旭日旗に似ている」とやり玉にあがり、韓国版でデザインが変更されたうえに、反日団体は世界各国に配信される映像まで修正するよう要求している。さすがに韓国でも鬼滅ファンが怒り、「旭日旗だと思う人は見なければいい」といった声もあがるが、左派団体はあらゆる層の親日を妨害しようとしており、それが政治的な利益にもなるから、同じような騒動はこれからも起きるだろう。

『週刊ポスト』(3月19日発売号)では、特に若者や子供たちを標的にした韓国の「反日グッズ」「反日おもちゃ」を紹介している。そのひとつ、韓国のゲーム会社が昨年12月にリリースしたネットゲーム「ウェンズデー」は、元慰安婦が主人公だ。タイムスリップした元慰安婦の「スニ」が、日本軍の横暴と戦って仲間の慰安婦を救出するというストーリーだが、この製作には韓国の慰安婦支援団体も関わっている。

 ゲームをプレイした韓国情勢に詳しいジャーナリスト・河鐘基氏はこう語る。

「非常に単調なゲームです。ゲーム好きなら酷評するレベルで、これに約1500円出すのは首を傾げるクオリティですね。開発サイドは慰安婦問題の解決に役立ちたいと言っていますが、よほど問題に興味を持っている人でないと、背景や意味も理解できないでしょう。国庫からの補助金やクラウドファンディングまで活用して7000万円もの開発費をかけたとは思えず、韓国でも『教育用ソフト』という辛辣な批判もあります。

 ゲームの重要なキーワードのひとつは『記憶探し』で、主人公は最初のうちは過去の体験がうろ覚えなのですが、タイムスリップして追体験するうちに過去の“真実”を見つけていく。これは、現実世界では元慰安婦の証言がバラバラで整合性がないという批判を受けていることから、それに暗に反論する意図もあるのだと思います」

関連キーワード

関連記事

トピックス

上原多香子の近影が友人らのSNSで投稿されていた(写真は本人のSNSより)
《茶髪で缶ビールを片手に》42歳となった上原多香子、沖縄移住から3年“活動休止状態”の現在「事務所のHPから個人のプロフィールは消えて…」
NEWSポストセブン
ラオス語を学習される愛子さま(2025年11月10日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまご愛用の「レトロ可愛い」文房具が爆売れ》お誕生日で“やわらかピンク”ペンをお持ちに…「売り切れで買えない!」にメーカーが回答「出荷数は通常月の約10倍」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《10代少女らが被害に遭った“悪魔の館”写真公開》トランプ政権を悩ませる「エプスタイン事件」という亡霊と“黒い手帳”
NEWSポストセブン
「性的欲求を抑えられなかった」などと供述している団体職員・林信彦容疑者(53)
《保育園で女児に性的暴行疑い》〈(園児から)電話番号付きのチョコレートをもらった〉林信彦容疑者(53)が過去にしていた”ある発言”
NEWSポストセブン
『見えない死神』を上梓した東えりかさん(撮影:野崎慧嗣)
〈あなたの夫は、余命数週間〉原発不明がんで夫を亡くした書評家・東えりかさんが直面した「原因がわからない病」との闘い
NEWSポストセブン
テレ朝本社(共同通信社)
《テレビ朝日本社から転落》規制線とブルーシートで覆われた現場…テレ朝社員は「屋上には天気予報コーナーのスタッフらがいた時間帯だった」
NEWSポストセブン
62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまのラオスご訪問に「感謝いたします」》皇后雅子さま、62歳に ”お気に入りカラー”ライトブルーのセットアップで天皇陛下とリンクコーデ
NEWSポストセブン
竹内結子さんと中村獅童
《竹内結子さんとの愛息が20歳に…》再婚の中村獅童が家族揃ってテレビに出演、明かしていた揺れる胸中 “子どもたちにゆくゆくは説明したい”との思い
NEWSポストセブン
日本初の女性総理である高市早苗首相(AFP=時事)
《初出馬では“ミニスカ禁止”》高市早苗首相、「女を武器にしている」「体を売っても選挙に出たいか」批判を受けてもこだわった“自分流の華やかファッション”
NEWSポストセブン
「一般企業のスカウトマン」もトライアウトを受ける選手たちに熱視線
《ソニー生命、プルデンシャル生命も》プロ野球トライアウト会場に駆けつけた「一般企業のスカウトマン」 “戦力外選手”に声をかける理由
週刊ポスト
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン