スポーツ

オープン戦首位の阪神 過去5回の例から見る開幕ダッシュ成功の可能性

新人・佐藤輝明がオープン戦の活躍そのままに開幕ダッシュを牽引できるか(時事通信フォト)

新人・佐藤輝明がオープン戦の活躍そのままに開幕ダッシュを牽引できるか(時事通信フォト)

 今年の阪神は一味も二味も違うのか。新人の佐藤輝明が6本塁打と大暴れし、切り込み隊長の近本光司、外国人のサンズが打率3割2分を超え、12球団1位の17本塁打、打率2割6分7厘で、勝率1位でオープン戦を終えた。ドラフト制度の施行以降では1966年、1995年、2002年、2011年、2016年に続いて6度目のVを飾った。しかし、この中でAクラスに入ったのは3位の1966年だけ。21世紀の3回はいずれも4位、創立60周年で優勝の期待された1995年は最下位に終わっている。

 いずれもチーム状態が違うので、単純な比較はできないが、縁起のいいデータではない。オープン戦の勢いは開幕ダッシュに繋がるのか。過去5度の3、4月の月間成績はこのようになる。

【開幕日:3、4月成績】
1966年4月9日:7勝10敗
1995年4月7日:6勝13敗
2002年3月30日:17勝8敗1分
2011年4月12日:7勝7敗1分
2016年3月25日:14勝14敗2分

 星野仙一監督が就任した2002年は開幕7連勝、10勝一番乗りで大きく勝ち越した。エースの井川慶が4勝、新外国人のムーアが3勝を挙げ、リリーフ陣も好調。1対0の完封勝ちが3度もあった。オリックスから移籍のアリアスは3、4月の打率2割7厘と安定感はなかったが、巨人との開幕戦で2ランを放ち、広島戦では1試合3発を放つなど10本塁打と長打力を発揮。マイク・タイソンに似ていると話題だったホワイトも、勝負強い打撃とハッスルプレーでチームを盛り上げた。しかし、6月になると投壊が起こり、8連敗を喫して失速。最終的には4位に終わっている。

 オープン戦首位の調子そのままに、開幕ダッシュに成功したのは同年だけ。オープン戦で巨人と1位タイでシーズンを迎えた1966年は村山実やバッキーなどリーグ一の投手陣を抱えながら、貧打に泣いた。4月の17試合で、3点以下が13試合、そのうち1点のみが7試合。完封負けこそなかったが、これでは優勝は程遠くなる。シーズンで5試合連続1点以下が2度もあり、3試合連続完封負けもあった。この年、外国人は投手のバッキーのみで、打者の補強はなかった。成績不振で、杉下茂監督が8月に休養を発表している。

 2011年は東日本大震災のため、オープン戦も途中で打ち切りになり、開幕日も延びたため、あまり参考にならないかもしれない。5年後の2016年は、期待の持てる年だった。就任1年目の金本知憲監督はオープン戦で結果を残した新人の高山俊、3年目の横田慎太郎というフレッシュな1、2番で開幕戦に臨み、オープン戦で打率1割台のヘイグを3番で起用すると開幕カードで3試合連続タイムリーとまさかの大当たりを見せた。しかし、徐々に不振となり、3、4月は打率2割3分1厘、2本塁打、11打点。その後も復調することなく、6月3日を最後に1軍出場はなくなった。結局、3人の中で1年を通じて活躍したのは高山だけで、ゴメスや鳥谷敬の不振もあり、チームは4位に沈んだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

伊藤沙莉は商店街でも顔を知られた人物だったという(写真/AFP=時事)
【芸歴20年で掴んだ朝ドラ主演】伊藤沙莉、不遇のバイト時代に都内商店街で見せていた“苦悩の表情”と、そこで覚えた“大人の味”
週刊ポスト
総理といえど有力な対立候補が立てば大きく票を減らしそうな状況(時事通信フォト)
【闇パーティー疑惑に説明ゼロ】岸田文雄・首相、選挙地盤は強固でも“有力対立候補が立てば大きく票を減らしそう”な状況
週刊ポスト
新アルバム発売の倖田來未 “進化した歌声”と“脱がないセクシー”で魅せる新しい自分
新アルバム発売の倖田來未 “進化した歌声”と“脱がないセクシー”で魅せる新しい自分
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
伊藤
【『虎に翼』が好発進】伊藤沙莉“父が蒸発して一家離散”からの逆転 演技レッスン未経験での“初めての現場”で遺憾なく才能を発揮
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン