3月20日、IOCのバッハ会長らとの対談中に宮城県沖地震が発生し、震源などの情報を確認する橋本聖子組織委会長(時事通信フォト)

3月20日、IOCのバッハ会長らとの対談中に宮城県沖地震が発生し、震源などの情報を確認する橋本聖子組織委会長(時事通信フォト)

 だが、競技によっては選手やスタッフが危険にさらされるかもしれない。災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏が解説する。

「多くの競技は地震発生とともに試合を中断するでしょうが、急に止まることのできない自転車競技の選手は非常に危険です。特に室内を周回するトラックレースは最高時速70kmで狭いコースの中を駆け抜けるため、走行中に地震が起きれば転倒し、死傷事故につながる可能性がある。同様に、馬術競技も急な揺れで馬が暴れ出してケガをするリスクがあります」

サーフィン、ヨットは「津波」の危険

 東日本大震災で甚大な被害をもたらした「津波」の心配もある。

「東京湾北部が震源の場合、4mの防潮堤を乗り越えるほどの津波が襲うと予測している専門家もいます。そうなれば有明アリーナなど複数の競技場が集中するベイエリアの会場に到達する可能性もある。津波は通常、湾の最奥部で一番高くなるため、東京湾の奥にある幕張メッセも警戒が必要です」(同前)

 震源地が内陸ではなく、陸地から離れた沖合で起きる「海溝型地震」だった場合はより深刻だ。

「サーフィンが行なわれる千葉県の釣ヶ崎海岸や、セーリング会場の神奈川県の江の島ヨットハーバーでは、選手が津波に巻き込まれる危険が考えられます」(鈴木氏)

 江の島がある相模湾が震源だった場合、神奈川県は発生から90秒後には選手やスタッフのいる海岸付近、8分後には観客席にも津波が押し寄せるとシミュレーションしている。

※週刊ポスト2021年4月9日号

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