「2000年代までは朝ドラ終了直後の8時30分から『はなまる』が始まっていた。ちょうどNHKからTBSにチャンネルを変える人たちがいた。しかし、朝ドラの時間移動と『あさイチ』開始で、NHKは本気で視聴率を取りにきた。それ以前も『生活ほっとモーニング』という情報番組を放送していましたが、司会者はアナウンサーだけだった。『あさイチ』はV6の井ノ原快彦、看板アナの有働由美子を起用した。2人は朝ドラを受けて感想を言う“繋ぎ”を生み出し、そのまま視聴者をNHKに留めさせました。編成、制作、出演者がまさにワンチームとなって、『はなまる』に対抗していきました」
そうした影響もあってか、『はなまる』の視聴率は1~2%台に落ち込むこともあり、2014年3月に終了した。その後、TBSはTOKIOの国分太一を司会に持ってきて『いっぷく!』を始めたが、1年で終了。同じ国分司会でリニューアルした『ビビット』は2019年9月まで4年半続いたが、数字は伸びなかった。後を継いだ立川志らくMCの『グッとラック!』は1年半で役目を終えた。
「どの番組も、視聴率では後ろにテレビ東京が控えているだけでした。その前に放送されている『あさチャン!』の数字が上がらないことも不振の一因と考えられます。『みのもんたの朝ズバッ!』が視聴率好調だった頃、やや不振だった『はなまる』の数字が回復したこともありましたから、連続した縦の流れが重要なのは間違いない。ただ、1980年代や1990年代は日本テレビの『ズームイン!!朝!』、2000年代以降はフジテレビの『めざましテレビ』が好調だったこともあり、TBSは朝の時間帯で苦戦を強いられていた。その中で、縦の流れとは関係なく、『はなまる』は1990年代後半から2000年代にかけて視聴率を取っていた」
TBSとしては『ラヴィット!』で『あさイチ』と違う独自路線を見つけて、『はなまる』のリベンジを図りたいところだろう。
「ただ正直、『あさイチ』が始まる時のような覚悟を感じられない印象もあります。編成は今までと同じ8時スタートですし、レギュラー陣は他の番組でよく見るような顔触れが並ぶ。もっと開き直って、思い切ったキャスティングをしてもよかったはずですが……。放送数回で、内容はまだなんとも言えませんが、『ラヴィット!』が『あさイチ』を超えるにはまだまだ課題が多いと思います」
TBSの午前8時台が“不毛地帯”と呼ばれなくなる日は来るか。