デジタル世代だけに、棋譜並べはパソコン画面でするのだろうと思ったら違った。

「将棋界には『いい手は指が覚えている』という言葉があるんです。だから強い先生のいい手を自分の指を動かして覚えることは大切で。僕の考えだと、マウスではなくて、盤と駒と指でやると、50倍は価値が違うと思っています。将棋の勉強はコンピュータソフトを使うのが主流なので、自分もこれからどんどん使っていくとは思いますが、棋譜並べはいつまでもアナログでしたい」

 永瀬王座の取りたいタイトルは? このシンプルな質問の答えに驚いた。

「全冠同時制覇。そこを目指さないと棋士である意味がないので。目指すのは覚悟の問題です。ただ、覚悟すればいいだけです。勝負事なので波を作る必要がありまして。なんとなくですけれど、数局をかけて自分で流行りを作って、他の棋士も真似して乗ってきてくれたら、波が長続きする。その波に乗ると爆発的に勝てるんです(ニヤリ)」

 サーフィンみたいですね、とつい口にすると──。

「そうですかね、僕はサーフィンは人生でやることはないです(笑い)。海はダメです、泳げないから危ないです」

 その言い回しは、やはり異彩を放っていた。

◆永瀬拓矢(ながせ・たくや)/1992年9月6日、神奈川県生まれ。“入玉(引き分け)をいとわない”“現役棋士で千日手(指し直し)の出現率が最多”など、異色の大局観で頭角を現した最強棋士の一角。対局中にバナナをたくさん食べることも有名で「バナ永瀬」の二つ名もある。あだ名は戦う姿勢から「軍曹」。趣味は漫画。好きな駒は歩。

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